当院の治療

高濃度ビタミンC点滴

ビタミンCの効果−1

健康食品や飲料でも「ビタミンC」という言葉はよく耳にします。漠然と、身体に良いもの、という認識はあると思いますが具体的にはどんな作用をしているのでしょうか?
「ビタミンC」は通称で、化学名はアスコルビン酸です。アスコルビン酸の生理作用は実に40種を超えると言われますが、その効果を理解するには臓器局在を知ることが有用です。
ビタミンCはたくさん摂ってもすぐに体外に流れてしまう、と思われていましたが、実際にはビタミンCを必要とする臓器には優先的に蓄えられることが分かりました。人体では副腎、白血球、脳などに高濃度に存在します。ビタミンCが不足するとこれらの臓器に関連した症状が出るわけです。副腎はストレスに対抗するホルモンを作りますから、ビタミンC不足ではストレスに弱くなることが分かりますね。具体的には朝起きられない、疲れやすいといった自覚症状が出ます。そして白血球の機能が落ちれば感染症に罹りやすくなりますし、脳機能が低下すればうつ症状が起こり得ます。ですからこういった症状にビタミンCが効果を発揮することがご理解頂けると思います。

また、高濃度のビタミンCは癌細胞を退縮させることが分かっています。正常細胞には害がないので、抗癌剤や放射線と言った標準抗癌治療の補助として広く普及しています。

ビタミンCの効果−2

「美肌にビタミンC」なんて宣伝されますが、これは本当なのでしょうか?皮膚にはコラーゲンが豊富に含まれます。コラーゲンは張りを保つために必要なので、コラーゲン不足がシワやたるみの原因になります。そしてこのコラーゲン合成にビタミンCが必須なのです。ですから「美肌にビタミンC」はあながち嘘ではないのですが、前述の通りビタミンCは臓器優先性がありますから、例えばストレスフルな生活で副腎でのビタミンC消費が激しければ皮膚にはあまり回されないと言うことです。さらにコラーゲン合成にはビタミンC以外にも鉄が必須なので、やみくもにビタミンCを摂取しても効率的ではないのです。美白効果を期待する場合は、ストレスを避け、鉄分をしっかり摂った上で補給すべきです。

またビタミンCはコレステロールを胆汁酸に作りかえる作用がありますので、高コレステロール血症の原因にもなります。血液検査でなかなかコレステロール値が低下しないのはビタミンC不足が原因かも知れません。