当院の治療

湿潤療法

家庭でできる湿潤療法

家庭でできる湿潤療法

当院では「プラスモイスト」という湿潤療法に最適な被覆材を使っておりますが、それがないと湿潤療法ができないというわけではありません。湿潤療法は「適度に潤す」というのが治療の本質ですから、そういう状態にできれば何でもいいわけです。

一番手軽にできるのはラップ+ティッシュペーパーでしょうか。ラップが湿潤状態を保ち、余分な浸出液をティッシュが吸い取る、という寸法です。ヤケドの場合はラップにワセリンを塗った方が効果的です。ラップはご家庭にある食品用ラップで構いません。

また、最近では自宅で介護をされている方もみえると思います。高齢者の介護では、どうしても褥瘡(=床ずれ)が起こる確率が高くなります。褥瘡を完全治癒させることは難しいですが、少なくとも難しい処置は不要です。もちろん消毒も不要ですし、入浴だって構いません。滲出液が多い褥瘡では、穴あきポリ袋(台所の三角コーナー用のアレです)に紙おむつや、生理用パッドなど吸収性の良いものを入れて、そのままキズにあてるとよいです。

手荒れや乾燥によるかゆみなどにも湿潤療法は効果を発揮します。ワセリンを塗るだけでも症状は改善しますが、ひどい場合はラップも貼った方がよいでしょう。実は市販でも湿潤療法用のバンドエイドが発売されています。商品名は「キズパワーパッド」と言って、2種類のサイズがあります。若干高価で、大きなキズには対応できないのが欠点ですが、他のバンドエイドではキズを乾燥させてしまうので、価値はあると思います。