院長室

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「ANNA」/「ランボー ラストブラッド」

映画レビューファンの皆様、お待っとさんでした。やっと映画館

も解禁され、公開延期になっていた作品が見られるようになって

きました。早速いきましょう。

 

まずは久々リュック・ベッソン監督のアクション映画「ANNA」

です。美貌の女性暗殺者がキレキレの活躍を見せるという、もう

一つのジャンルにしてもいいんじゃね?と思えるくらい、つまり

勝ち目の薄い戦いを挑んできたわけですが、まあそこそこ良かった。

このジャンル(?)は徹底的にリアルで攻めるか、異能を咬ませて

ぶっ飛ばせるか、で分かれるところですが、今作は前者。前者の

場合、主演女優のアクションに説得力があるかがキモになるん

ですが、その辺が意外と良かったのですよ。

 

その大役を務めたのがサッシャ・ルスさん。モデル出身だけあって

スタイルは文句ナシ、長い手足を活かして派手にアクションを

こなすし、これまた意外に演技もお上手。この女優さんを堪能

するためだけに観てもよいレベルです。反面、男性陣の演出が

ポンコツでキリアン・マーフィーさんら名優の無駄遣いに感じる。

まあそれこそ近年のリュック・ベッソンテイストなんですが。

 

欲張ってドンデン返し風味を加味しているところが評価を分ける

かも知れません。純粋にアクションとリュック・ベッソン(笑)

を楽しみたい人にはこのひとひねりは余分かも。ひねりを排除

したとしても「レオン」や「ニキータ」に並ぶ作品ではないです

けど。自粛明けの助走にはいいんでないかな。(笑)

 

そして色んな意味で不安だった「ランボー ラスト・ブラッド」。

ランボーの第5作目です。何が不安だったかというと既に4作目

で完結した、風になっていたから。しかもそれなりに納得する着地

だったので、まさか続編はないだろうと思っていたんですね。しかも

副題の「ラスト・ブラッド」は第1作の「ファースト・ブラッド」に

対応するもので、完全に今回での完結を示唆してるやん!4作目

はまさかの無視なの?!ってなったわけでやす。

 

で、期待と不安が入り交じる中で鑑賞しましたが、結論から言うと

ジェイソン・ステイサム案件でした。え?分かりにくい?(^ ^;)

これ、ランボーでやる意味ある?!ってこと。ステイサム氏あたり

がやるヤツやん、と。あ、僕はステイサム好きです。

 

ランボー作品の軸は戦争では英雄視されたのに、戦後は一転

邪魔者扱いされるという悲哀と孤独です。まあ早々に第2作から

そのテイストは薄まったわけですが(笑)、今回完結編なのに

そのテーマがほぼない。折角見つけた心安らかな生活をブチ

壊されてサツガイしまくる異常にタフな爺さん、というスジ。

 

申し訳程度に戦争のトラウマを匂わせたり、グリーンベレーの

テクを駆使して数多のトラップを仕掛けたり、というのはまあ

ランボーだんだけど、それ以外があまりに雑すぎて途中でシラける

可能性があります。犯罪者の巣窟で銃に囲まれながら「娘を返せ!」

って、そりゃ無理っしょ。メキシコ国境を車でぶち破るなんて

単なる犯罪っしょ。…ってツッコミが入りまくります。まあ

ランボー好き以外が観る可能性は低いと思いますが、ランボー好き

だからこそ首を捻る、という映画でもあります。自粛明けの助走…

にもツライかな。(^ ^;)

 

どちらもオールドタイプなアクション映画で、何かぶちぶち文句

言ってますが、映画館で観られたのは素直に良かったです。残念

ながら新作の撮影が滞っているので、しばらくは新作上映数が

少ないままでしょうけど、それでもつい興奮してこういう駄文を

書いちゃうオジサンが居るわけで、業界挙げてこの苦難を乗り

切って欲しいです。(^ ^)

2020年7月6日 月曜日

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自粛の今こそ!アガる映画10選!

大型連休を控えるのに外出もままならず、映画館も軒並み休館に

なってしまい路頭に迷われている方々に映画評論家として(違う)

何ができるかと考え、これまで紹介してきたものも含みますが、

鬱々とした気持ちを発散させる熱さと感動のオススメ映画をまとめて

みました。TSUTAYAの宅配レンタルなんかもありますが、すぐに

自宅で観られる!をコンセプトに今回はAmazon prime やYouTube

movie で取り扱いのある作品のみとしました。それでは張り切って

どうぞー!あ、長いよ。ヒマだから。(笑)

 

・インターステラー(2014)

インド映画並みの長尺が全く気にならない展開と密度のSFアドベン

チャー。異常気象による地球の危機を救うべく、はるか別銀河を

目指す主人公達の運命は?!と聞くとチープに感じるかも知れません

が、そこは奇才、クリストファー・ノーラン監督。やや難解な部分も

ありますが、決して観客を置いてきぼりにしない演出が素晴らしい。

未見の方はもう絶対に観て。お願い。

 

・キック・アス(2010)

正義を愛する平凡な少年がスーパーパワーを手に入れたら?!という

中二病炸裂なアクション映画。この作品を契機にリアルヒーロー

ものが何本も作られました。では子供向けなの?と思いきや映画

としての完成度はすこぶる高い。マシュー・ヴォーン監督は後に

これまた傑作「キングスマン」を制作するわけですが、ヒーロー愛と

重症中二病(笑)の原点がここにあります。

 

・オール ユー ニード イズ キル(2014)

トム・クルーズ好きのアナタ、これ見逃してませんか?!恐ろしい

エイリアンからの侵略をタイムループを繰り返すことで攻略して

いくという、これまた中二病をこじらせている人が好みそうな(笑)

作品ですが、日本のラノベを原作としているだけあって妙に馴染む。

そしてトム様のカッコ良さ炸裂。白メシ3杯はいけます。

 

・第9地区(2010)

もう10年も前の作品になりますか。かなりの衝撃を受けた作品

です。エイリアン侵略ものをドキュメント風に描くという斬新な

切り口と凝ったアクション、そして練り込まれた脚本は非常に

満足度が高いです。制作陣も出演陣もほぼ無名で、今も鳴かず

飛ばずですが(^ ^;)この作品は多くの人にとって忘れられない

ものとなっているでしょう。

 

・セッション(2015)

いやーこれは正直万人向けでは全然ないんだけど、ラストの1コマ

を味わってもらいたいがために挙げました。ドラマーを志す少年と

スパルタな教員の心温まる青春ストーリー…では全くなく(笑)、

理不尽と狂気がまかり通る芸術の世界を容赦なく描きます。それ

でもそれを許容してしまうのは芸術の純粋性なんだ、と思い知ら

されます。サントラ買っちゃった。

 

・きっと、うまくいく(2013)

僕的にはインド映画の最高傑作。クソ長い上に定番のミュージカル

シーンもあってそれだけで敬遠されてしまいがちですが(^ ^;)、

素晴らしいヒューマンドラマです。主演のアーミル・カーンさんは

有名なカメレオン俳優で、今作でも44歳で主人公の大学生を

演じています。彼の出る作品は概ねハズレなしです。

 

・ライジング ドラゴン(2012)

引退するする詐欺(笑)で、なかなかアクションから撤退しない

ジャッキー・チェンの実質集大成的作品なのではないかと思います。

本格的なカンフーアクションから、意表を突いたモノを使ったり

とんでもない場所でのアクション、最後には大がかりで失敗したら

死ぬんじゃね?的なスペクタクルシーン、とお腹いっぱいになり

ます。やはりジャッキーは偉大だ。

 

・大洗にも星はふるなり(2009)

知る人ぞ知る、そして知らなくても大して損はしない(笑)福田

雄一監督の傑作コメディ。今でこそ多くの人に認知される人気作家

となりましたが、当時は予算もなく苦労したんだろうな、と思わせる

作りです。が、その分工夫が素晴らしく、常連組の佐藤二朗さん、

ムロツヨシさんも絶好調。安田顕の一言に吹き出した人は是非

スピンオフも観ましょう。

 

・湯を沸かすほどの熱い愛(2016)

比較的新しい作品ですが、邦画でこんなに泣いたのは初めてかも

知れません。宮沢りえ演じる癌で余命幾ばくも無い女性の最後の

生き様が情熱的に描かれます。情熱的であるほど哀しみも増す。

そして最後の大仕掛け。説明過多で画一的な演出になりがちな

このテーマで、斬新な演出をして驚かせてくれます。僕の邦画

ナンバーワンを塗り替えました。

 

・おおかみこどもの雨と雪(2012)

宮崎駿を継ぐアニメ作家になるのでは?!と期待されていた…

頃の(笑)細田守監督の作品。いや、確かにこの作品は凄まじい。

アニメのアドバンテージを全てぶち込んで、でも平均的になる

ことなく個性を突き立てた映画です。ぶっすり胸に刺さり

ましたわ。これもすんごい泣いたなー。いや、映画では意外と

泣くのよ、僕。

 

さて、いかがだったでしょうか?古すぎず新しすぎず、という

範囲で集めてみましたが、結構メジャーなものも含むので鑑賞

済みの作品もあったかと思います。まあでも何回観ても良い

作品群でもあります。え?えらい偏ってるって?はい、自覚して

ます。(^ ^;)なんせ僕も中二病で闘病中(笑)ですから。

2020年4月20日 月曜日

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「グッド・バイ」/「1917」

今回は久々の洋ちゃん主演映画とアカデミー賞逃したで賞(笑)映画

2本を紹介しましょう。

 

まずは我らが大泉洋主演「グッド・バイ」。終戦直後の忙しない時代、

女性にだらしない主人公が妻子と真っ当に暮らすため偽の妻を仕立てて

愛人達と別れられるようあれこれ画策する…というコメディ。原作は

太宰治ですが、未完のためアレンジし舞台化したものの映画化、だ

そうです。

 

で、だらしない主人公を大泉洋さん、ガサツで金にうるさい偽の妻を

小池栄子さんが演じます。終戦直後の町並みの再現度は結構なもので

入り込みやすい…かと思いきや、意外にも洋ちゃんと小池さんがそれを

拒むんですわ。なんせ2人とも人の良さがにじみ出ちゃってる。(^ ^;)

特に小池さんはダミ声で話す設定なんですが、これがコントっぽくて

どうもね。洋ちゃんもコメディパートはさすがの演技なんですが、

シリアスパートがイマイチ。まあこれは演出の問題も多分にあると

思うけど。

 

そして主人公に一方的に別れを告げられる女性達や本妻も結構性格が

悪くて全く同情できず、結果主人公のだらしなさが薄味になりそれに

協力する偽妻の説得力も希薄になる、という中途半端な感じになっ

ちゃってます。まあ洋ちゃん好きなら観ても損ないかな、くらいの

作品ですかね。

 

そして圧倒的有利を覆されてアカデミー賞を逃した「1917」。

第1次世界大戦中、ドイツ軍の罠を知らせるために最前線で戦う

イギリス兵に命を賭けて伝令する、というお話。実際に戦地にいた

方の伝聞から構築されたそうです。非常にシンプルなんですが、

全編ワンカットで撮られたかのような映像が話題になっています。

 

確かにこれは凄い。実際のワンシーン撮影は最長で8分ちょっと

らしいのですが、どこがつなぎ目か分からないです。常に主人公の

背後を追いかけている視点なので、自分も一緒にいつ銃撃されるか

分からない戦地を駆けていく緊張感が味わえます。ヘタなホラーより

心臓に悪いっす。(笑)

 

ただこの作品の特筆すべき部分はその映像技術より、脚本の妙だと

思います。任務を請け負う冒頭シーンからラストまで風景や心情が

見事に対比あるいは相似で表現され、同時にこれで完結しない戦争

への虚無感も克明に描きます。このある意味数学的な構成が戦争の

無慈悲さを表しているようにも感じました。お、なんか賢そうな

文になったぞい。

 

コロナウィルスの影響は多方面に出ていますが、映画館が空いて

いるのは僕にとって嬉しい誤算。でもなんか診療もヒマになってる

気がするけど、そっち方面は見ないでおきますぞい。

2020年3月2日 月曜日

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「ナイブズ・アウト」/「前田建設F営業部」

アカデミー賞受賞作品ばかりが目立っておりますが、こちらも

侮れませんぞ、という2作品。

 

まずは「ナイブズ・アウト」。著名な高齢ミステリー作家が豪奢な

自宅で死体で発見される。自殺と見られるも探偵に匿名の捜査依頼

が届き…というお話。これだけで白メシ2杯はいけそうですが(笑)

単にミステリー好きに向けた映画ではないのが特徴。

 

古めかしい館も、遺産が欲しくて堪らない何か隠してそうな家族も、

無意味にカッコつける名探偵も、無能な警察も(笑)すべて古典的

ミステリーに不可欠なツールなのですが、これが既にミスリード。

序盤でほぼ事件の全貌は明らかになってしまい、なんだコロンボ方式

か、と思わせるのもこれまたミスリード、という驚きの作品です。

 

しっかり伏線も張られており、俳優陣の名演もさることながら練りに

練った脚本が一番の見所です。ドンデン返しのためだけの無理くりな

トリックに走りがちな昨今、これを完全オリジナルでやってのけた

手腕はアツデミー賞(←ナニソレ)では何らかの賞を獲得すること間違い

ないでしょう。

 

そして「前田建設ファンタジー営業部」。いやこれも凄いぞ。ある

建設会社がPRとして空想世界の建築物を現代の技術で実際に作ったと

したらどうなるか、というのをシミュレーションする企画を立ち上げ

ます。最初はイヤイヤだった面子も次第に熱くなり…というお話。

今回はマジンガーZの格納庫を作ります。(笑)

 

バカバカしいんだけど、何故か泣ける。マジンガーZを知らないと

分からない単語も出ては来ますが、そんなことはあまり問題になら

ないくらいブレストファイヤーなんです。あ、熱いってことね。(^ ^)

 

実は前田建設もファンタジー営業部も実在しておりホームページ

あります。書籍化、舞台化もされているそうで、実は人気のコンテンツ

のようです。僕も本作を観るまで知らんかった。悔やまれるぜ。

撮影は本社の建物や工事現場、社員さん(!)を使用しておりリアル

さは半端ないです。現実と比べれば随分脚色されているそうですが、

これは下町ロケットより面白いかもよ。観てないけど。(オイ)

 

主演は最近急に上手くなった高杉真宙さん、脇を上地雄輔さんや、

おぎやはぎの小木博明さん、岸井ゆきのさん、六角精児さん、と

何となくコメディー寄りではありますが、これがまた良い雰囲気を

出しているのです。なんと永井豪先生もチラッと出演されております。

これもまたアツデミー賞では(略)、、マジンガーZ好きには失禁

モノですが、そうでなくても熱くなれる良作です。

 

多分、2作品ともそんなに長く上映されないでしょうから、もし

興味を持ったら即映画館へ、マジンゴー!です。(^ ^)

2020年2月17日 月曜日

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「パラサイト」/「嘘八百2」

あれ?アイツ、もう映画観なくなったの?と思った方、安心して

ください、履い…じゃなくて観てますよ。ただ最近めぼしい作品

がなくてね。やっとこれから増えそうです。

 

まずは「パラサイト 半地下の家族」という韓国の映画。監督が

ポン・ジュノさんで主演にソン・ガンホさんという鉄板コンビの

作品です。ポン・ジュノさんの作品は1作を除きすべてオリジナル

脚本でかつ全てジャンルが違うという特徴があり、どれも快作

です。ソン・ガンホさんも韓国映画界随一の俳優さんでつまり

本作も期待せざるを得ないわけなんですね。

 

公開は結構早く上映館も少なかったんですが、やはりジワジワ

評判を呼び現在も絶賛上映中です。今では木曽川でも稲沢でも

やってますわ。これすなわち傑作、と言って良いでしょう。

個人的には少し賛同しかねる部分もありますが、まあ些末な

ことで作品の完成度を損なうほどのことではありません。

 

で、どんな内容かって?いやこれがまた是非何の情報もない

まま観て欲しいんですよ。ブラックユーモアこそ効いてますが

コメディではないし、シリアスに振ってもないし…で要約

しづらいんです。ただもし鑑賞されるなら“階段”や“坂”に着目

すると面白いです。オススメです。

 

そしてまさかの続編「嘘八百 京町ロワイヤル」です。日本の

骨董品を扱う詐欺師と贋作師の騙し合いが面白かった前作を

どう転がすのかが注目でした。

 

主演は中井貴一さんと佐々木蔵之介さん。お二人とも俳優と

して脂が乗ってるというか、特に近年の中井さんはそれこそ

芸術品の域に達しつつあるなと感じる次第で、実は今作も中井

さん見たさで鑑賞したってのが本心です。基本的に続編には

ネガティブな僕は内容は大して期待してませんでした。

 

ほら、やった。(笑)前作鑑賞者にはニヤニヤする部分はある

ものの、そもそも本作から観る人なんていないんだからもう

少し仕掛けを作らないと、続編を作る意義が薄れちゃうわけ

ですよ。なんせ詐欺師が主人公なんだから、勧善懲悪的な話

なんて求めてないのよね。でも前作で「まっとうに生きるぜ!」

ってラストにしちゃってるもんだからどうにも窮屈な展開に

ならざるを得ない。続編って難しいね。

 

まあ演者が巧みなので平均点以上ではありますが、中井さんや

佐々木さんの凄みをもっと観たかったし、前野朋哉さんと

アホの坂田師匠(笑)の扱いがもったいなかったなと思います。

脚本もツッコミどころが目立つので、全体的に突貫工事的な

印象が拭えないかな。さらに続編も匂わせてますが、ロッキー化

しないよう祈ります。はっ?!まさかその先に「嘘八百

ザ・ファイナル」で巻き返すことまで計算ずみ?!ねーか。

 

そんなわけで今年も映画好きオジサンの身勝手な批評がしばしば

投稿されますのでお付き合いくだされば幸いです。(^ ^)

2020年2月6日 木曜日

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