当院の検査

骨密度検査

骨粗鬆症とは?

骨粗鬆症

骨粗鬆症とは形成不全により骨がもろくなる病気で、その原因により原発性と続発性に分けられます。骨の質の異常が原因であるくる病や骨軟化症とは違います。骨がもろくなるため軽微な衝撃でも骨折しやすくなります。
原発性骨粗鬆症の原因は老化と閉経です。特に女性は女性ホルモンが骨の強度に深く関与しているので、閉経すると急激に骨がもろくなります。高齢者では骨の形成自体が衰えるので骨粗鬆症になると言われています。男性の場合はこちらがほとんどです。

続発性骨粗鬆症の原因で一番多いのは、ステロイド剤の長期服用です。関節リウマチで早期からステロイド剤を使用している場合は、若年であっても骨粗鬆症の危険があるので注意が必要です。その他、甲状腺機能亢進症やクッシング症候群、糖尿病といった代謝性疾患も原因になり得ます。
骨粗鬆症自体は無症状なので、骨折してしまってから発覚することが非常に多いのが現実です。骨折部位は背骨や大腿骨が多いので、骨折してしまうと大変な日常生活上の制限が生じます。その結果寝たきりになってしまったり、認知症が進んだりと、生命予後にも直結するようになり、超高齢化が進む我が国では大きな社会問題となっています。

骨密度検査と治療

早期発見が重要

骨粗鬆症は自覚症状がないため、骨密度検査による早期発見がとても重要です。検査はかかとの骨、前腕の骨、背骨で計測する方法があり、順に正確度が増しますが、一般的には前腕の骨を用いることが多いです。当院でも前腕骨での骨密度検査を採用しています。

骨密度検査では、骨のもろさを数値化するわけですが、若い頃の骨の強さに比べて70%を下回るようであれば治療が必要になります。現在では様々な薬が発売されていますが、骨を壊す細胞(=破骨細胞)を抑制する薬が主流です。1日に1錠タイプと週に1錠タイプがあり、内服の負担が少なくなるように工夫されています。重症な場合では注射剤も併用することがあります。骨の代謝にはビタミンDが不可欠ですが、このビタミンDは日光の刺激で活性化されるので、適度な日光浴は骨粗鬆症の予防に効果的です。骨の原料となるカルシウムの摂取はもちろん意義があります。

検査の頻度は?

骨密度検査自体は1分もかからず痛みもないので、閉経後の女性は1度は検査を施行することをお勧めします。また、骨密度は経時的に変化しますので、異常が無くても年に1度は実施するのが良いでしょう。
近年、骨粗鬆症は社会問題にもなっていることから研究が進んでおり、骨密度検査装置がない場合でも診断できるように血液検査や尿検査でも異常が分かります。さらに治療の一環として積極的な栄養療法も効果を上げています。