院長室

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肩コリの対処

腰痛の8割は原因不明、なんて教科書にも堂々と書かれて

いますが、肩コリや頚の痛みも意外と同様で、せいぜい

ストレートネックやPC作業の増加が挙げられるくらいです。

 

整形外科ではどうしても骨の異常に原因を求めがちで、骨に

問題がないと途端に “異常なし” になってしまう傾向があり

ます。もちろん最初から原因が判明することの方が少ない

ですから仕方がない面はありますが、少なくともコリや

張りを感じるのは筋肉なので、筋肉に対するアプローチは

もっとあっていいはずです。

 

まずやはり負荷を軽減するのを第1に考えたいところです。

頭の重さは4〜5kgはありますから、下向き作業や顎が突き

出た姿勢はその重さを支えるため過剰に負荷がかかります。

常に「背骨の真上に頭を置く」と意識するだけでも少し

症状は緩和されるかも知れません。

 

姿位に気を付けていても、同一姿勢が続いたり脱水傾向に

なると筋肉間の癒着・密着が起きやすくなり動きが制限され

ます。こういう場合は積極的な運動療法が有効です。整体

でもいいですし、ハイドロリリースも良いですね。併用する

と効果倍増です。

 

そして筋肉は酸素需要が高い臓器であることから酸欠に

非常に影響を受けます。酸欠も様々に要因がありますが、

ストレスを感じている時は血管が収縮して酸欠傾向になり

やすいです。また、糖過剰や鉄不足でも酸欠が起きます

から、ここでは栄養療法の介入が有効です。痛み止めの

湿布や飲み薬は血管を収縮させるので、この場合は使用

NGとなります。

 

負荷を減らし、動きを改善して、酸欠を予防する。うん、

標語に推薦されるかも知れん。(笑) それぞれ各論はさらに

細かく分かれますが「骨に異常はないから湿布で様子見」

よりはマシじゃないでしょうか?

2021年2月1日 月曜日

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全力で生きない

とかく、一所懸命とか全身全霊で、といった姿勢が礼賛され

がちですが、それは限定的に集中してやるものであって、

恒常的に発揮するものではありません。

 

もちろんそういった姿勢は尊いですが、それを常態にしたら

疲弊してしまうし、いつもできるならそれは通常の能力、と

いうことにもなります。

 

よく診察で「適度に手抜きしてね。」なんて声掛けしますが、

それは上記のようにいつも全力でいる弊害が見て取れるから

です。いつも頑張ってると、いざという時に頑張れないし、

それは既に副腎疲労状態なんですよ。自分は手を抜きたくても

自分以外やる人が居ない、なんてシーンもありますが、それは

もう環境改善しないといけないレベル、ということです。

そんなん、自分の一存では決められないから…と言ってまた

頑張り続ける。こういうパターン、意外と多いのです。(^ ^;)

 

副腎疲労も栄養療法の守備範囲ではありますが、頑張り過ぎ

の人に不足栄養素を足すともっと頑張っちゃったりするので

結構要注意なんです。当然根本治療になっていませんから、

いずれ効果も頭打ちになりますし。だからこその「手抜き」の

提案なんです。いつもは6〜8割の力で仕事をする、もしくは

そうできるように準備しておく、というのは立派な副腎疲労の

治療です。副腎疲労傾向の方に真面目な人が多いのは、実は

「手抜き」できないから、とも言えるのです。

 

日本人の勤勉さや忠実さは世界に誇れるレベルだと思うし、

大切にするべきですが、それを発揮するのは身体です。不調に

なれば勤勉さも忠実さも実現できませんよね。責任を放棄

せよ、というわけではなく、責任を全うするにはどう立ち

回るのが賢いか考えようぜ、ってことです。

 

結構思い当たる節のある方、いますよね?!頑張りすぎての

休職・退職はもったいないです。上手に手抜きしてゆとりを

持って働きましょう!

2021年1月28日 木曜日

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乾燥は脱水の始まり

え?乾燥も脱水も同じじゃね?と思われたかも知れませんが

今回取り上げたいのは “乾燥肌” です。特に女性はお困りの方

が多いのではないでしょうか。

 

肌が乾燥するということは、皮膚の水分が足りないという

ことですが、ではなぜ水分が足りなくなるかというと皮脂が

不足するからです。皮脂は皮膚から分泌される脂質ですが

ここでは表皮内のセラミドも皮脂と捉えてください。

 

皮脂がしっかり出ることで皮膚常在菌が生育し、結果として

他の菌が定着しにくくなっています。僕はクリーム剤の使用

はお勧めしていませんが、これはクリームが皮脂を溶かして

しまうからです。これにより却ってバリア機能が低下する

わけです。

 

さて、皮膚はバリアであるのと同時に、皮脂により皮下の

水分を蒸発しにくくする機能もあります。脂質の膜があれば

水は漏れにくいですよね。ということは、皮脂不足により

乾燥肌になればそれだけ体内から水分が失われ易い、って

ことです。

 

冬場はそもそも水分摂取量が落ちますが、乾燥肌があれば

水分ロスが増えるため、実は脱水になり易いのです。脱水に

なると血液循環を維持しようとして血圧が上昇することも

あります。寒いと血管が収縮し血圧は上昇しますが、これに

脱水が合併するとより悪化するんです。

 

治療はコレステロールを含む脂質代謝の改善が根本ではあり

ますが、オンシーズンはひとまずワセリン塗布が手っ取り

早いです。かゆみがある場合はその上からエアウォールなど

のフィルム剤を貼付すると良いでしょう。自分の周りだけ

窓ガラスが曇りやすかったら、それは水分蒸発してる証拠

かも?!

2021年1月25日 月曜日

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ハイドロリリースの活かし方

「痛み止めの注射をしてくれ!」あるいは、「痛み止めの

注射みたいな対症療法は嫌だ!」と、いわゆる鎮痛剤を

使用した注射療法は以前から賛否両論でした。これは注射

そのものに対する評価ではなく、あくまで鎮痛剤に対する

ものです。なので、実は内服でも外用でも同様なんですが、

こと注射に至っては両極端に捉えられることがしばしばです。

 

さて、そんな注射とは根本的に違うのがハイドロリリース

(Hydro Release;HR)と呼ばれる注射療法です。何せ鎮痛剤

を使用しませんから。(笑) 実際にはごく少量用いますが、

ほとんどが生理食塩水です。生理食塩水に鎮痛効果なんて

無いので、HRの理屈は薬剤によるものではありません。

 

筋肉は筋膜で包まれ房状になっています。その隙間を血管

や神経が通ります。ミカンで例えると分かり易いでしょうか。

ミカンの果肉部分が筋肉で、ミカン1粒ずつを覆っている

のが筋膜です。筋肉は本来それぞれが独立して動きますが、

筋膜同士が密着したり癒着したりするとその動きは阻害

されます。これがコリや痛みの原因になり得るのです。

 

HRでは、生理食塩水を筋肉と筋肉の間、つまり筋膜間に

注入することにより筋肉の独立可動性を高めるのが主たる

治療理論です。またそれに伴って、圧迫・牽引されていた

血管や神経が解放されるので痛みしびれも改善するわけです。

筋肉と筋肉の境界は外から見ても分からないので、超音波

エコーを用いて内部を観察し、リアルタイムに画像を

見ながら針を進め良きところで注入します。これによって

誤穿刺を防ぐことができるのもメリットと言えるでしょう。

ミカンの皮をむかずに1粒ずつバラけさせる、みたいな

手技です。

 

筋膜の癒着が主病態だった場合は、注射直後に改善を見る

こともありますが、あくまでも痛み止めではなく筋肉の動き

を改善させる治療法なので、再度癒着が起これば繰り返し

注射が必要になります。なので、HR後はなるべくストレッチ

などの運動を併用するのがオススメです。また何度やっても

改善がない場合は即ち筋膜間の問題ではない可能性を示唆

するわけで、診断的な利用価値もあります。

 

注射って怖いイメージがあると思いますが、こういう新しい

理屈を用いた進化もしてるんです。少しハードル下がった

かな?!我々には超音波装置を購入するという高いハードル

がありますが。(笑)

2021年1月21日 木曜日

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マルチサプリの使い方

人体の様々な活動に必要な栄養素の過不足を評価して治療に

繋げる、というのが栄養療法の定義ですが、食事が基本とは

言え、症状改善にはサプリメントが必要になることも多いです。

 

不足している栄養素の中でも優先度の高いものをサプリメント

で補うことになりますが、それぞれの栄養素の効果効能を知ると、

どれもが重要に思えてきて(^ ^;)結果的にたくさんの種類の

サプリメントを摂取することになる、なんてことがしばしば

あります。

 

治療に積極的であるがゆえではあるのですが、やはり分析を

後回しにしてはいけません。マルチビタミンやマルチミネラル

のサプリメントは一度に多くの種類の栄養素が摂取できると

いうメリットがある反面、どの栄養素が効果的だったかが

分かりにくくなるデメリットがあります。分析をせず、効果

効能だけを頼りにいきなりマルチサプリを摂取するのは診断が

狂うのでお勧めしていません。良かれと思ってしばらく飲んだ

後に検査してみてたら却って過剰になっていた、なんて例も

ありますしね。

 

では、マルチサプリはどんな場面で使うのが良いのでしょう。

僕は大きく2つ想定しています。一つは食事やサプリメントで

症状やデータが改善してきて、サプリメントを減量できそう

な時。マルチサプリメントは多くの種類が配合されている反面

それぞれの配合量はそれほど多くないのが普通です。症状改善

を維持しつつ減量する際には適したツールとなります。

 

もう一つはコストを抑えたい時。データ上、様々な不足があり

症状改善を急ぐ場合にはどうしても多くの種類のサプリメント

が推奨されます。ただ継続できなければあまり意味が無いので

何とかトータルコストを抑えるためにマルチを使用します。

ベストな選択ではないですが、コストも治療継続の重要な因子

なので有意義だと考えます。

 

逆に言えば、これら以外の場面でマルチを使うことはほぼあり

ません。多くの栄養素が不足しているということは、吸収に

問題がある、つまり腸内環境改善を優先にすべき、とも言え

ますし、栄養素を激しく消費するか代謝を阻害する要因があれ

ばそれを除去することが先です。

 

どうしても栄養療法=サプリメント摂取と思われがちですが、

サプリメントは栄養素が不足している際に食事の代替として

使用するツールでしかありません。中でもマルチは便利ですが

論理的な治療から逸脱してしまう恐れもあるので、使用には

慎重になるべきです。

2021年1月18日 月曜日

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