院長室

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タンパク質復習

脱水症は水分とミネラルの喪失によるものですが、それらをただ

補給するだけでは再発の可能性があります。つまり根本は他にある

場合があるのです。

 

それがタンパク質の不足でした。タンパク質は肉、魚、卵、大豆

などが補給源ですが、タンパク質不足になると血管内に水分を保つ

能力が低下するので季節に関係なく脱水傾向となります。では上記

のものを毎日摂っていれば、あるいはプロテインを摂取すれば解決

するかと言うと、必ずしもそうではありません。

 

タンパク質は分子が大きいので、そのままでは腸粘膜を通過でき

ません。咀嚼、胃酸、消化酵素の働きでアミノ酸レベルの小さな

分子にして初めて体内に吸収されます。そして肝臓でタンパク質

に再合成されることで有効となります。この再合成に必須なのが

ビタミンB群でした。なので、サプリメントを選ぶ時はいきなり

プロテインを選択するのではなく、アミノ酸+ビタミンB群とする

と効率的です。

 

もともと消化に難がある方は、これに加えて消化酵素を使用したり

ピロリ菌が陽性であれば胃酸機能が低下するので除菌が必要になり

ます。もちろん早食いは厳禁です。ビタミンDや亜鉛不足も吸収に

影響しますので、不足していれば追加すべきでしょう。

 

こういう栄養的弱点がなければ、食材の組み合わせで勝負でき

ますが、誰しも脂っこいメニューばかりでは夏場はしんどいもの。

かと言って麺類を増やせば解決になりません。こういう時に頼り

になるのが味噌汁です。具材を好きに組み合わせることができます

からね。ミネラル補給のためにワカメを軸にし、豆腐や鰹節で

タンパク質トッピング。半熟卵、なんてのもいいですな。(^ ^)

屋外での作業がある場合は、ここにぬちまーすを振っておくと

尚よろしい。

 

ちなみに吸収されなかったタンパク質は腸内で悪玉菌増殖の原因

になってしまうので、闇雲なプロテイン摂取は戒めるべきです。

そう考えると、腸の不健全さが脱水の根本原因とも言えますね。

2020年8月17日 月曜日

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感染症のはなし

連日、新型コロナウィルスのニュースばかりでいささか食傷気味

ですが(^ ^;)、中には本当に必要な情報なの?と疑問に思うもの
もあります。

 

新型コロナは確かに厄介ですが、3〜4月の “得体の知れないヤツ”

という認識とは随分違ってきたと思います。最大の違いは、現在

重症者も死者も増えていないということ。これをどう解釈するかは

今後の対策に極めて重要です。

 

世界を見てみても欧州では日本同様、死者も重症者も減っています。

オーストラリアは一旦収まった感染が再び蔓延し、死者も増加して

いるのでまさに第2波が来ていると見ていいでしょう。連日報道

される日本の “感染者数” はPCR検査陽性者の数であって、正確

には感染者ではないので注意が必要です。重症者は増えていない

ので、第2波ではないと思います。

 

死者増加時のデータから、発症から死亡まではおよそ2週間という

ことが分かっていますので、1ヶ月以上死者が増えていないので

あれば、少なくとも現在、感染自体は収束傾向と見ていいのでは

ないでしょうか。医療の逼迫、なんて報道もありますがこれも

3〜4月の頃のそれとは全く意味合いが違います。当初はICUが

足りない、機器が足りない、ガウンがない、人手がない、という、

つまりコロナ以外の診療が不能になってしまうことを “医療崩壊の

危機” と言っていました。この度は、軽症者と無症状者の収容施設

が不足している、という意味の医療逼迫です。

 

これは新型コロナを指定感染症にしてしまったがため、PCR陽性者

は症状に関係なく一定の隔離を要することになっているからです。

よって現在コロナ以外の診療に大きな影響はありません。「感染

が拡大し、再度、医療逼迫が起こりつつあります。」という報道

はウソではありませんが、随分と情報が不足している感じですね。

 

とは言え、軽視していいわけではありません。まだ未知な部分が

あるのは確かです。各地でクラスターが発生しているのも事実です。

やはり個人レベルで対策することは必要です。どの程度の対策が

必要か、は今後の情報によって変化するのは当然です。また全ての

活動を停止するのは大ナタを使って蚊を殺すようなもので愚策だと

思います。手でパチンとやればいいんです。(笑)

 

今月の健康教室はたまたま「身近な感染症」というテーマで、当初

は風邪や膀胱炎、帯状疱疹、そして腸内環境もね!なんて内容を

用意していましたが、コロナも身近になってしまったので(^ ^;)

上記のような話も盛り込もうと思っています。密を避けるため、

参加人数はいつもより少なく設定していますが、興味のある方は

是非御参加ください。

2020年8月13日 木曜日

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漢方薬解説-21 半夏厚朴湯

最近少しマニアック傾向があったので、今回はシンプルかつメジャー

な処方の紹介といたしましょう。ノドや胸のつかえ感に使用される

半夏厚朴湯です。

 

・半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ 16番)

構成:半夏6g+生姜1g+茯苓5g+厚朴3g+蘇葉2g

 

さて、この生薬構成を「見たことあるな?」と思った方がいたら

嬉しくて失禁してしまいそうですが(笑)、六君子湯の紹介の時

に登場した小半夏加茯苓湯(21番)が含まれています。5種の

生薬のうち前3種が21番です。なので16番は小半夏加茯苓湯

加厚朴蘇葉とも言い換えられます。誰も言い換えんけど。

 

16番はノドや胸のつかえ感によいとされますが、21番は嘔気や

めまい動悸の薬ですから、追加された厚朴(コウボク)と蘇葉(ソヨウ)

がその効果を持つことになります。双方とも「散ずる」という

特性を持つため、“気” の滞りを取る効能があって、結果として

ノドや胸のつかえ感が改善する、という仕組みです。

 

もちろんベースは21番ですから嘔気やめまいがあって、さらに

つかえ感がある場合が最適となります。西洋医学ではノドのつまり

をヒステリー球と言って精神的過緊張症状と捉えるので、16番を

抗不安薬のように使用する向きがありますが、拡大解釈は無効例

を増やすだけなので注意が必要です。ちなみに中国では胸のつかえ

を梅核気(ばいかくき)とか咽中炙臠(いんちゅうしゃれん)と

表現していました。前者は梅の種がノドにあるように感じること、

後者はあぶった肉がノドに引っかかることで、まあ昔の中国人は

何と大袈裟なことかと感じますね。

 

胸の痞えや違和感というと小柴胡湯(9番)も同じような適応があり

ました。「そうだったよね!」って方がいたら嬉しくて失…(略)

実は9番と16番を合方した薬が存在します。その名も柴朴湯

(サイボクトウ 96番)。それぞれの処方名を一文字取って組み合わせた

ネーミングです。もともと9番には半夏と生姜が含まれるので、

小柴胡湯加茯苓厚朴蘇葉と言い換えることもできます。誰も(略)

それぞれのイイトコ取りをした、というより似たような目標が

あるので9番のパワーアップ版、と捉えた方が分かり易いかも

知れないですね。

 

9番も16番もメジャーな処方なので必要なら合方すればいいと

わざわざ96番を在庫することは少ないですが、合方した場合は

96番単独に比べ、半夏を大量に摂取することになるので口渇

などの副作用により配慮が必要です。

2020年8月6日 木曜日

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しびれは難しい

整形外科を受診する契機となる症状は圧倒的に「痛み」が多い

ですが、それに付随もしくは単独での「しびれ」も次いで多い

です。そしてしびれがある時、一般的に難治傾向と考えます。

 

と言うのも、痛みをコントロールする薬は数あれど、しびれを

抑制する薬はなかなかないからです。薬がないから難治、って

考えるのは医師としては恥ずかしいことなんですが、それは

さておき、腰痛と下肢のしびれとか、肩痛と上肢のしびれとか、

はたまた痛みはないけど指がずっとしびれてる、と聞くと

身構えるのは確かです。

 

しびれは神経圧迫の特徴的症状なので、上肢なら頚から枝分かれ

した神経のどこかに圧迫があるのではないか、下肢なら腰から、

という具合に神経の走行に沿って異常を検索するのが通常です。

レントゲンでは神経を描出できないので、専らMRI検査が勧め

られます。腰部脊柱管狭窄症とか椎間板ヘルニアなどが良い例

です。

 

しかし、画像検査で異常が見つからない場合も実は結構あります。

ここからが本当の難治で、一体なぜしびれが出るのか分からない、

とりあえずの薬もない、となると途端にお手上げ状態になりがち

です。医師も内心途方に暮れてたりします。(^ ^;)

 

ここで突破口になるのが「酸欠」です。神経が圧迫されるとしびれ

が出ますが、神経周囲には密に血管があるので、まずその血管が

圧迫されることで神経が酸欠になってしびれる、というのがひとつ

のメカニズムなんです。であれば、酸欠を証明して改善できれば

しびれを治療できるかも、と期待できますね。

 

酸欠の原因は様々ではありますが、大別すれば供給が足りないか

需要が亢進しているか、です。具体的には説明し切れませんが、

栄養療法が整形外科領域にも効果を発揮するのは、この診断と

治療に長けているからです。と言っても酸欠を改善するサプリ、

なんてのがあるわけではないですからね。念のため。(笑)

 

ちなみにハイドロリリースもしびれ治療になり得ますが、これは

ざっくり言えば画像検査で捉えきれない圧迫を解除している、

というロジックです。物理的な酸欠対策、という言い方もできる

でしょうね。いずれにしても、原因不明の慢性しびれは酸欠

から来る場合がある、と認識するだけでも希望が持てるのでは

ないでしょうか。

2020年8月3日 月曜日

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今こそMgを!

毎日ほとんどの患者さんに「足つならいですか?」と聞いて

ウザがられていないか内心不安ですが(笑)、いいんです、

マグネシウム(Mg)不足を知る、あるいは知ってもらう

手掛かりになるのですから。

 

Mgは1年を通して重要なミネラルですが、この時期は発汗

が増え浪費しやすいのでさらに重要となります。Mg不足症状

はこむら返りだけでなく多岐に亘りますが、こむら返りは

典型的であり、また、わざわざ申告することでもない、と

思われていたりするので頻回に尋ねるようにしています。

 

Mgは発汗だけでなく、ストレス負荷でも尿から排泄されて

しまいます。睡眠不足や夜勤、コロナストレス?でも身体

から出て行ってしまうでしょう。イライラしながら肉体労働、

なんてハイリスクですよ。で、Mgが不足すると精神的にも

過緊張になりますので、さらにストレスに拍車をかけ悪循環

となります。

 

またMgは絶対的不足だけでなく、相対的な不足でも症状が

出ます。その良い例が女性の更年期と乳製品摂取です。女性

ホルモン減少により血中カルシウム(Ca)が増加し、協働

するMgが相対的不足になります。乳製品もCaとMgのバランス

が悪いので同様です。年齢と共に月経周期が乱れてきて、

骨粗鬆症予防に牛乳毎日!なんてのもハイリスクとなります。

 

一般的には1日300mg程度のMgを、と言われますが

相対的不足でも症状が出るため、上記量を摂取しても安心

ではありません。ストレス負荷も一定ではないので、1日

の必要量にも波があるでしょう。少し乱暴な考え方ですが、

あまり摂取量に囚われず、摂取して軟便や下痢になる一歩

手前が至適量、というのが間違いないかも知れません。

 

その補給ツールとしては天然塩(ぬちまーすがオススメ)、

海藻類、硬水、エプソムソルト、です。もちろん取り除ける

リスクは排除した方が効きが良いです。上手に食事や仕事

に取り入れて下さい。

 

…なんてのも耳タコでウザいっすか?!(笑)

2020年7月30日 木曜日

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