院長室

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今こそ、鼻うがい

当院ではBスポット療法(=EAT)の補助として鼻うがいをお勧め

することが多いですが、そもそも鼻うがいはEATと関連すること

なく効果が認められていました。

 

なぜ鼻うがいが良いのか?それは粘膜の炎症を抑える効果がある

からだと思います。EATは慢性上咽頭炎に対する治療法ですが、

上咽頭の粘膜は中咽頭や下咽頭に比べ明らかにリンパ球の数が

多く、免疫を担当する部位であることが分かっています。そこに

異物が接することで免疫反応が起き、過剰になると炎症となり

諸症状が出現します。

 

鼻うがいをすることで異物が流され、過剰な免疫反応を起こさ

ないようにするので有効、というですね。これは実はウィルス

感染症にも応用できることです。ウィルスには自己増殖能力は

無く、生物の細胞内に入り込まなければ増殖できません。そして

どこから入り込むかというと、それが粘膜なんです。手洗いを

励行するのは、手の皮膚からウィルスが浸入するから、ではなく

手から粘膜に移行することが多いから、です。眼をこすったり、

鼻をほじったりすんなよ、というのは眼や鼻に粘膜があるから

です。鼻をほじった手で眼をこするのはまた別の問題があり

ますが。(笑)

 

特に鼻の奥の粘膜は常に呼吸により異物に晒されていますから、

炎症は起きやすい状況になっています。寒くなると鼻毛の動き

が鈍くなり、異物を外に排泄する能力が自然と低下するので、

さらに粘膜への負荷が増えます。だからこそ、鼻うがいで粘膜

をきれいに保つことに意義があるわけです。

 

鼻うがいツールは市販でいろいろと入手することができますが、

ボトルの容量が大きく、しみないようにするサーレという粉末

が付属する「ハナクリーンS」がオススメです。サーレは生理

食塩水と同等のものを作るのが目的なので、サーレが無くても

天然塩なんかで自作してもいいでしょう。外出後や寝る前などに

やるのが標準です。最初は怖いですが、結構すぐ慣れますよ。

ウィルス対策の一つに加えてみてはいかがでしょう?(^ ^)

2020年11月30日 月曜日

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