院長室

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ビタミンDとアレルギー

例年に比べ、イネ花粉でお困りの方が少ないな、という印象ですが

ウチだけ?全国的に?

 

しかしながら花粉症ではないアレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎、

喘息などは意外と多いので免疫機能のトラブルは減ってはいないの

でしょう。栄養療法では花粉症に限らずアレルギー症状とビタミンD

(VD)不足の関連に注目します。実際にVDの補給によってアレルギー

症状が軽減している例が多くあります。

 

VDがなぜアレルギー症状に良いかは細胞核内の受容体のなんちゃら

がかんちゃらするのですが(笑)、個人的には腸内環境との関連も

大きいのではないかと思っています。腸内環境と言っても善玉、悪玉菌

ではなく小腸の粘膜がターゲットです。

 

小腸はあらゆる栄養素の吸収現場です。同時に有害な物をブロック

する機構もありますから、小腸こそが免疫の最前線と言えます。その

小腸の内側はヒダ状になっていて、吸収面積を広くすることで効率を

アップさせています。VD不足ではこのヒダの長さが短くなるという

報告があり、吸収能力の低下を示唆します。また有害な物をブロック

するために小腸粘膜の細胞同士はガッチリ密着していますが、VD不足

ではここがゆるんでいることも分かっています。

 

ということは、VD不足では栄養素の吸収効率が悪く、有害物質を

通しやすくなる、ということになります。栄養素の吸収が悪ければ

腸内に残った未消化物が悪玉菌のエサになったりもするので間接的

にも腸内環境を悪化させます。これらがアレルギーを誘発している、

と考えられるのですね。

 

腸内環境と様々な病態との関わりが多く報告されていますが、ここに

VDが一枚噛んでいることになります。VDの効果もまた様々に及ぶこと

と一致します。VDをどのくらい摂取すればいいかは検査値を見て決める

べきですが、多くの不調に関与しているのは間違いないのではないかと

思っています。

2019年10月21日 月曜日

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