症例報告

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恐れ入った

先日60代後半の男性が右カカトの裏が痛いと言って来院。見ると確かに赤く腫れており、強く炎症している様子。聞いてみると、1か月前にみかんのトゲ(?)が刺さったとのこと。でも痛みが出たのはごく最近。まあ刺さった部位に一致するので、異物による化膿かなと思い、とりあえず切開。案の定、膿が出てきましたが、「もしトゲが残っていたらまた繰り返すよなあ、だけどさすがに1か月も前のトゲを探すのは無理だろうなあ。」と思いながら、ちまちま探っていたら見事に約2cmものトゲが出現!よくもまあこんな大きい物を1か月も飼ってたものだと感心しました。何とも強靭なアシノウラの持ち主です。(笑) 患者さんもびっくりしつつ、豪快に笑い飛ばしていました。強いなあ。

2009年9月21日 月曜日

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被覆材あれこれ

湿潤j療法では創環境を「適度に潤す」ことが最大のキモですが、そのためには創を覆うもの(=被覆材)が重要になってきます。ガーゼをあてればもちろん乾燥させてしまって、全く湿潤環境になりませんし、ラップでは乾燥させない代わりに全く吸収しません。そこで様々な被覆材が開発されています。


・ハイドロコロイド

これは一般薬局にもおいてあります。(商品名「キズパワーパッド」) 湿潤環境を保つのには良いですが吸収力がイマイチなので、浸出液の多い創には不向きです。

・ポリウレタンフォーム

これも一般薬局で入手可能です。(商品名「ケアリーブ バイオパッド」) これはハイドロコロイドに比べて吸収力があるので、浸出液の多い創にはこちらの方がよいです。

・アルギン酸塩

これは被覆材というよりは創に固着しない止血剤という位置づけです。出血がなかなか止まらない場合に使用します。


とまあ、この辺がメジャー所ですが、ウチでは湿潤治療の産みの親、夏井先生が開発されたプラスモイストを使用しています。ポリウレタンフォームに比べると吸収力は落ちるものの、扱いやすく、何より安価です。保険請求はできませんがコスト面で助かります。で、このプラスモイストも一般販売されています。愛知県では名古屋と清須だけですが、家にあれば有用です。(販売場所参照:当サイトリンクページ「新しい創傷治療」→プラスモイストP取扱店)

2009年9月10日 木曜日

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イネ花粉

ぼちぼちイネ花粉症の患者さんがみえ始めました。スギに比べると症状は軽いようですが、花粉症症状はつらいものです。花粉の種類が変わったからといって治療が変わるわけではないので、ウチでは、外出時にワセリン塗布、漢方薬内服で対処してもらっています。

鼻汁・流涙には小青竜湯、眼かゆ・鼻ムズには越婢加朮湯…などとおおまかな処方分けはありますが、やはりこれらは根治療法ではありません。漢方治療ではいかにシーズンオフ時に体質改善薬を続けられるかがキモになります。


また、実は遠絡療法でも根治は期待できます。遠絡療法の考え方では、

   「花粉症=アレルギー疾患=免疫異常=内分泌の異常=脳下垂体の異常」

と捉え、脳下垂体の治療をすることでアレルギー体質そのものを改善させようとするのです。さらに脳下垂体の近くには視床、視床下部がありそれぞれ覚醒機能、自律神経機能を司るので、花粉症のある方は意外と不眠や冷えなんかを伴うことが多いのです。

脳を治療する、なんて言うとおっかない感じがしますが、実際さまざまな症状の親分はilm19_cb02001-s1

やはり脳なのだと感じます。脳を触らず(これは何かおっかない表現ですね)に脳を治療できるという点では遠絡療法は画期的だと思います。

2009年9月5日 土曜日

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ぎっくり腰

以前までは、ぎっくり腰は急に重い物を持った際に、腰の筋肉、筋膜を損傷して発症すると考えられてきました。そのため、筋肉に負担をかけないようにコルセットを巻き、できるだけ安静にし、痛みのある部位に麻酔薬でブロック注射をする、というのが治療の主流でした。しかし、重い物を持たなくてもぎっくり腰は発症します。事務作業をしていて、落としたペンを拾おうとした瞬間に腰に激痛が走るとか、楽しいバス旅行で、車を降りようと腰を上げた途端動けなくなったりとか。


このような例を考えると、ぎっくり腰は必ずしも筋肉に負担がかかって発症するわけではなく、「長時間同一姿勢を取っていた後の体動の際に起こる」のではないかと推察されます。そして損傷の本体は筋肉ではなく、関節なのではないかと考えられるわけです。だから関節の動きの改善を治療原理とするAKA-博田法が効果があるのだと思います。注射や痛み止めが悪いわけではないのですが、根本治療には決してなっていないのではないかと思います。


先日みえた腰痛の患者さんは、全く思い当たる節はないのに朝から腰が伸びず洗顔もできない状態でした。診察すると、明らかに右の仙腸関節が硬い。この硬さをAKA-博田法で改善したら、その場で腰は伸びるようになりました。1回の治療で全ての症状がとれるわけではありませんが、トータルで考えれば、コルセットと痛み止めの治療より短期間で治癒すると思います。


また腰が痛いと日常生活動作がかなり制限されますから、余計に腰の動きを抑制し悪循環に陥ることがよくあります。腰を痛めたら放置せずに、早めに治療することをお勧めします。

2009年8月26日 水曜日

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湿潤療法、その後に

湿潤療法を行うことで、キズがきれいに痛みなく治る、というのはもはや(知ってる人には)常識になりつつありますが、キズが上皮化しても跡を目立たなくするためには工夫が必要です。というのも、新しい上皮は日光にあたると色素沈着を残すことがあるからです。服で隠れる部位は問題ありませんが、手や顔、足などの露出部は何らかの遮光手段をとった方がベターです。遮光は通常、3ヵ月くらいした方がよいとされますが、さらに効果を上げるために、漢方薬の併用も効果的です。皮膚の色度沈着は漢方的には「血液の淀み」と捉えますから、血流を改善する薬を使うことで、さらに跡を目立たなくできる可能性があります。漢方薬の中にはシミを薄くする効能のあるものがあり、これを応用します。


まあ、キズが治った後で薬を飲み続けるのは抵抗があるとは思いますが、女性はオハダが命!…だと思うので、女性の患者さんにはお勧めしています。

2009年8月16日 日曜日

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