症例報告

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指尖部損傷

経験のある方なら分かると思いますが、指先のキズって

とても血が止まりにくいんです。

特にスライサーなどで削いでしまったキズはなかなか

止まりません。

こんな時、指の根元を縛って止血!

はしないようにして下さい。静脈血の還流を阻害してしまって

指先に血が溜まり、却って出血は止まらないハメになります。

正しくは出血部の圧迫。程度によって時間はかかりますが

これだけで止血できます。

「あ、やっちゃった!」と思ったら、とりあえずティッシュやタオルで

圧迫して病院へ行ってください。


医療用材料としては、アルギン酸塩という素材が止血効果が強く、

あんまりずっと圧迫できない時や、全く止血できない時はこれを使います。

併せて湿潤環境も保てるので、重宝します。

2010年11月9日 火曜日

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急に肩が痛い!

と聞くと、骨折などの外傷、五十肩が頭に

浮かびまずが、意外と見逃されがちなのが

石灰沈着性腱炎です。

これは肩の筋肉に石灰が沈着して起こる炎症で

(そのまんまやね 笑)、非常に痛いです。

特徴として夜間の激痛、明確な圧痛がある、などが

ありますが石灰はレントゲンに写るので診断は簡単です。

原因はよく分かっていませんが、ステロイドの局所注射が

著効するので見逃すとかわいそうな疾患の一つです。


漢方をやっていると、ついつい漢方でなんとかしたろう!

という発想になって基本的な診断を疎かにしがちです。

これはAKAや遠絡にも言えることで、自分の武器に固執

するとイタイ目に遭うこともあるんです。まあ武器に酔うほどの

ウデでもないんですが。(^ ^;)


やはり患者さん優先の治療選択と、バランスの良い診断力が

大切だと思います。

2010年10月28日 木曜日

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ねんざの季節!?

運動会シーズンだからか、子供の外傷が

多いです。たまに父兄参加の競技に出場して

ぶっこけたお父さんも来ますが。(笑)


外傷の場合はとにかく腫れを早く取ることが

重要です。腫れが引かなければ痛みも引きにくい

ですし、腫れが持続した時間に比例して治るまでの

時間も長くなる傾向があるからです。

痛み止めの薬には腫れを引かせる作用はほとんどない

ですから、痛み止めに頼るのは危険です。

まずはしっかり局所の安静と冷却が基本中の基本です。


そしてここでも漢方を。急性の病態だからと言って漢方は

使えないことはありません。腫れが強い場合、そこに

「血」が溜まっていると考えますから、血流を改善する方剤を

選びます。具体的には桂枝茯苓丸が第1選択です。

さらに溜まった血を捨てる作用のある治打撲一方という方剤を

足すと効果的です。ただ、治打撲一方は便通をつける働きが

あるので、下痢に注意です。


…とここまでを患者さんに説明するんですが、一通り話して、

「粉はゼッタイ飲めない!」

なんて言われてガックリくることもあります。(^ ^;)

“良薬口に苦し”って学校で習わんのかな?(笑)

2010年10月26日 火曜日

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お手軽湿潤療法

湿潤療法を希望して来院される患者さんの

中には、他院での治療に疑問を持って検索した、

なんて方が少なからずみえます。


本来、保険で行う医療に「当たり外れ」があっては

いけないのですが、新しい治療法が世に出る時は

仕方が無いとも言えます。


で、とりあえず自宅でできる湿潤療法の紹介を。

湿潤療法は特殊な治療というワケではなく、要は

「キズの治癒に最適な環境を整える」だけですので

家庭にある材料でも十分できます。


キズ(やヤケド)の部位に、数カ所穴を空けたラップを

のせます。その上からティッシュやハンカチをのせて

テープで固定します。

以上。

キズは乾燥させないで滲出液は吸い取る、という

仕組みを作ったわけです。

ラップに穴を空けるのが面倒なら台所の三角コーナーに

入れる穴あきポリ袋を使用してもいいでしょう。


この状態で来院していただけると大変助かりますし、

軽傷なら、治っちゃうかも知れません。

商売あがったり。(笑)


市販で「キズパワーパッド」や「カットバンモイスト」

という商品がありますが、これらでも湿潤療法が可能です。

ただし、これらはあまり滲出液を吸収しないという欠点があります。

あとサイズが小さいので大きなキズには不向きかも。

2010年10月8日 金曜日

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乾燥してきた

一気に気温も下がり、秋をとばして冬がすぐに

やってきそうな勢いですが、空気も乾燥してきましたね。

この季節、定番(?)の手や踵のひび割れ、肌の過敏

が増えてきます。


漢方的にはこれは“血虚”といって血液の足りない状態が

原因と言われています。方剤としては「血を補う」、補血剤

というグループの薬を使用します。具体的には四物湯や

当帰芍薬散、十全大補湯などが有効です。


また、物理的に乾燥させない手段ももちろん有効なので

ワセリンを頻回に塗るのも必要です。

間違っても尿素配合クリームを使わないように!

2010年9月28日 火曜日

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