院長室

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漢方薬解説-7 桂枝茯苓丸

漢方薬紹介にも徐々に馴れてきて頂けてますか?漢字ばっかで

しんどいかも知れませんが、何卒よろしく。(^ ^)7回目となる

今回は女性の更年期など婦人科領域で頻用されている桂枝茯苓丸

です。でも婦人科ではないウチでもものすごく使ってます。なぜ?

 

・桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン 25番)

構成:桂皮3g+茯苓3g+芍薬3g+牡丹皮3g+桃仁3g

 

5種類の生薬から成るシンプルな漢方薬です。名前にある桂皮と

茯苓の組合せはこれまで苓桂朮甘湯(39番)と五苓散(17番)

でも登場しましたね。“降下作用” があるので上半身や頭部の症状

に有効でした。芍薬には筋肉のこわばりを取る作用がありました。

 

とすると牡丹皮(ボタンピ)と桃仁(トウニン)が更年期に効くの?と

思われるかも知れませんが、そうでもないんです。そもそも両者共

に下腹部痛に対する薬で外科的手術が一般でない時代は虫垂炎にも

使用されていました。婦人科領域では月経痛ですね。桃仁は少し

便を軟らかくする作用もあります。

 

つまり、桂皮+茯苓でのぼせやめまいを、芍薬が肩こりなどの筋肉

の痛みを、そして牡丹皮+桃仁が下腹部の諸症状を緩和するので、

これらが高頻度に見られる女性の更年期に頻用される、というわけ

です。決してホルモン剤ではありませんし、これらの症状があれば

男性でも適応になります。

 

また、牡丹皮+桃仁には血液の滞りを解消するという作用もある

ので、打撲や捻挫など整形外科領域でも使用頻度が高いんです。

さらに慢性の疼痛でも大なり小なり循環不全があるので、応用的に

使用されます。漢方薬の拡大解釈は誤用につながるので、症状

だけで決めてはいけませんが。

 

ちなみに桂枝茯苓丸加薏苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン 125番)

が皮膚のシミの漢方薬、なんて宣伝されたりしますが、その名の

通り桂枝茯苓丸に薏苡仁を加えただけなので、基本は桂枝茯苓丸

の適応を守るべきです。薏苡仁が昔から水イボなんかに使用

されてきたので皮膚科の漢方薬のように扱われますが、これも

誤用に繋がるのでシミ=125番とは覚えないように。

 

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ので過去記事を参照する時に利用してください。軽い気持ちで

映画記事にもタグ付けしたらどえらい時間かかった。きっと需要

なんてないのに。(^ ^;)

2020年3月5日 木曜日

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