近年増加傾向にある疾患を考えてみるとき、癌やアレルギーと共に
必ず俎上に上るのが鬱、発達障害や適応障害、認知症と言った
脳機能障害です。高齢化に伴い認知症が増えるのはある意味自然な
現象かも知れませんが、介護の問題は深刻ですし、少子化なのに
発達障害や適応障害の子供が増えるのは何か環境の変化が関与する
のでしょうか?
ともあれ、癌やアレルギーと同様、一度罹患すると治りにくい、
そもそも治療法ってあるのか?と悲しくなるほど本人のみならず、
家族や周囲を巻き込んだ問題となります。もちろん簡単に解決する
方法は僕も思い付きませんが、ただ、脳という臓器は「燃費が悪く
脂肪のカタマリである」という視点で見ると、「燃費を効率化し
良い脂肪を摂る」ことで何か好転するきっかけが得られるかも
知れないと思うのです。
そういう意味ではこれらに直接寄与できる栄養療法は第1選択に
すべき治療法だと思います。難治な疾患ほど種々の情報が氾濫し
収拾が付かなくなっていますので、藁にもすがる思いの人に異常に
高いサプリメントを勧めたり水や壺(^ ^;)を売りつける、なんて
のもあります。まあ栄養療法で扱うサプリも高いですが、栄養療法
は食事指導が基盤ですので、そもそもサプリだけで良くなるなんて
言いません。
さて脳が燃費が悪いとはどういうことか。それは大量に酸素とカロリー
を消費する臓器だということです。なのでこれらを効率よく供給でき
なければ容易に機能低下が起こると言うこと。酸素運搬には鉄や
ビタミンB群が関与しますし、カロリー供給にはケトン体代謝が重要
です。そして脂肪の塊であると言うことは、トランス脂肪や酸化脂肪
などの劣悪な脂肪の摂取が多ければ脳そのものの質が低下すると言う
ことです。
結局、ビタミン、ミネラル、カロリー代謝という栄養の基本に立ち返る
ことが脳機能障害に立ち向かう武器なのかも知れません。久しぶりに
昼食にサンドイッチなんて食べてみたら強烈な眠気に襲われたことを
反省してこんな文を書いてみた…わけではありませんぞよ。(笑)