栄養療法(オーソモレキュラー療法)は栄養素の過不足を
分析して各種疾患の治療を助けていく方法ですが、まだ
まだ知名度は低く、「高額なサプリメントを使用する治療」
というイメージが強いようです。
確かにその側面はあり、実際に保険適応外の検査を根拠と
して保険適応外のサプリメントを使用するわけですから、
なんかセレブ向け治療(笑)っぽくもあります。でも、
栄養療法の基本は食事の仕方なので、本当は、検査→
食事指導→不足部分をサプリで、というのがスジです。
最初から全てサプリメントで勝負するわけではありません。
そして栄養療法は「身体を作り変えていく」治療法でも
ありますので、当然時間がかかるものです。身体の細胞は
部位によって新陳代謝の速度が違いますから、すぐに影響が
見られる部分もあれば、数ヶ月してやっと何か違うかも?
くらいの部位もあるのです。
つまり栄養療法はお金と時間がかかるのが大きなウィーク
ポイントなわけですね。だから何でもかんでも栄養療法で
片付けようとするのは無理がありますし、患者さんへの
負担も無理を強いることがあり得ます。でもしかし、全ての
ベースになるのが栄養ですから、広く適応になる方が多い
のも事実。
そうすると、極力無駄を省きなおかつ症状に大きな波を
作らないように工夫するのが僕たちの腕の見せ所になる
でしょう。栄養療法領域では毛髪ミネラル検査や、全便検査、
有機酸検査、唾液検査や遺伝子検査などなど通常施行しない
検査方法が盛りだくさんですが、そんなの当然全部は無理。
僕もやってません。(^ ^;)
個人的には、検査結果によって新たな治療が提案される場合
のみ、つまりやってもやらなくても治療方針に影響しない
ものは、あまり積極的に検査する価値はないと思っています。
それより、一つでも良い食事法を自分の生活に落とし込む
方が遥かに価値があります。