捻挫や骨折などの外傷以外で腰や膝の痛みを抱える
高齢者は多いです。高齢化社会にあって健康寿命は
むしろ短くなっている日本の現状を見ると、医療が
貢献しているとは言えないかも知れません。
痛みに限らないかも知れませんが、症状が治らないと
言下に「老化」と言われ「仕方ない」「付き合っていく
もの」的な説明で終わってしまうこともしばしば。
患者さん自らがそう説明して自身を納得させている場面
もあるくらいですから、かなり浸透している扱いのよう
に感じます。
もちろんこれは間違いではありませんが、「老化」に
よって何が変化してどう症状に関与しているかを説明でき
なければ単なる逃げ口上と取られても仕方ありません。
そしてそれに対しどう対処していくのが良いのか、を
提案できて初めて医療だと思います。その上で仕方がない
場合はあります。
敢えて「高齢者医療」という表現をすると、その本質は
身体の老化=退行変化であり、抗炎症剤が中心のいわゆる
整形外科的治療は適していないと判断すべきです。老化で
筋力が衰えるから痛い、ので筋トレっていうリハビリメニュー
も首をかしげざるを得ませんよね。
退行変化の全てを科学的に説明できるわけではありませんが、
東洋医学でも西洋医学でも論理的な思考を捨てないことが
重要だと思います。