院長室

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多いものから順番に

怖いものを否定できたら次に考えるのは、多いもの。つまり

遭遇頻度の高い疾患を疑うというのがセオリーです。TVの

「名医」が聞いたことのない病名を言い当てるのも、それ

までにメジャーな疾患が否定されているから。臆病である

ことの次に重要な資質は堅実であること、かも知れません。

 

ただ、この「多いもの」というのは単に統計的な根拠だけ

ではなく、季節性や人種、その年ならではの傾向も含みます。

例えば、「頭痛がする」のであればこの時期は必ず脱水は

考慮に入れますし、インフルエンザの流行時期ならば当然

インフルエンザ検査が視野に入ります。

 

なんか当たり前のような話ですが、ここで妨げになるのが

「専門性」です。西洋医学がどんどん進歩して各分野で研究

が進み、かなり細かいことまで分かるようになったため、

有益なことが増えたのはもちろんですが、反面その分野の

エキスパートになり過ぎて、視野狭窄に陥ってしまう弊害が

あるのです。

 

僕の例であれば、漢方薬やAKA−博田法と言ったあまり

一般的でない治療法を主に行っているため、つい患者さんの

症状をいきなり「漢方的」「AKA−博田法的」視点で

説明しようとしてしまうのです。なんか難しいこと言ってる

けど実はとても的外れだった、なんてこともあります。(^ ^;)

 

なので、自分への戒めのためにも「○○療法専門クリニック」

という看板はなるべく掲げないようにしています。「専門」

と言えるほど自信がないってものあるけど。(笑)

2016年7月25日 月曜日

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