院長室

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血液検査の利用法

ウチは整形外科の中では血液検査が多い方だと思い

ます。もちろん栄養療法を採用しているからですが、

そもそもなぜそんなに血液検査を重要視するので

しょうか。

 

それはひとえに患者さんの隠れた病態を推察しやすい

から、です。一般的には血液データには「基準値」が

あって、その範囲に収まっているかどうかをチェック

します。健診や人間ドックでの判定がそうですね。

しかしながら、全ての値が基準範囲内に入っていても

不調の人はいるもんです。そうなると、「特に異常は

無いからストレスでは?」なんて方向に話が進みがち

です。

 

これを全否定するつもりはありませんが、実はその血液

データにはまだ深い意味があって、ちゃんと病態を暗示

しているとしたら、とてももったいない、どころか

誤診に結びつきかねません。例えば、症状や問診から

とても低い値が予想される項目が基準範囲内だったら、

本来はもっと低いはずなのに上昇させる要因があって、

目眩ましになっているのでは?!と考えるわけです。

 

結果が基準範囲内でも現実に不調があるならば、疑いの

目で見るべきだと言うことですね。なんか性格が悪くなり

そうですが(笑)、だからこそわかることもあり、それに

よって初めて治療の選択肢が提案できる、ということも

あるのです。気分は古畑任三郎です。

 

具体的には、脱水があると血液が濃縮されて検査結果が

上昇してしまう項目があったりします。ゆえに、これから

の季節は血液検査の読み方に注意が必要なんですねぇ。

血液検査だけでは分からないことももちろんありますが、

検査結果の読み方次第では意外な事実が発見できます。

これは栄養療法の実践に関係なく、現代医療のスタンダード

になるべきではないかな、と思っています。

 

2016年5月26日 木曜日

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