通常、しびれは神経に由来する症状とされます。なので
神経の異常があるかないかを調べるのが常套で、診察で
感覚や運動の検査をしたり、MRIで神経圧迫がないか、
などを見ていきます。
しびれが難しいのは、こういった一通りの検査でも異常
が見られないことが多々あるからです。ヘルニアや脊柱管
狭窄があって神経を圧迫しているとか、脳梗塞があった
とか、ガングリオンが神経の傍にできたとか、長期にわたる
糖尿病歴とか、意外とこういうケースは少ないものです。
そもそも痛みだってかゆみだって神経を介して感じる症状
なのですから、しびれに特化した異常を見つけようとする
ことに無理があるのかも知れません。画像検査や理学所見は
もちろん重要な情報源ですが、そこに異常がないから問題
なし、とはならないわけですね。
そこで持つべき視点は、一歩引いて、神経の修復に問題が
あるのではないかとか、神経過敏で感じやすい状態になって
いるのではないかとか、などです。修復に問題があるとする
ならば血流が悪いかも知れないし、過敏になっているのなら
ストレスが隠れているかも知れないな、と可能性を広げて
いくわけです。
こういう時に頼りになるのが漢方医学的な解釈だったり、
栄養学的な視点だったりするので、僕はこの2つをとても
重宝しています。漢方好きの医者とか、食事にうるさい医者
とか思われがちですが(笑)、解決に導く可能性がある
からやってるだけなんですよね。少なくともしびれの特効薬
なんて現状存在しませんから、画像異常がない場合、
この視点は必須だと思っています。