院長室

« 7月 2024 4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

風邪に葛根湯、なの?

まだインフルエンザは流行していませんが、胃腸炎は多い

ようですね。家庭内感染する傾向が強いので、子供が罹患

して一家全員感染、なんてことも多々あります。


さて、胃腸炎は「胃腸風邪」なんて言われますが、じゃあ

風邪の漢方薬である葛根湯は効くのか?答えは No です。

通常の風邪も胃腸炎もウィルス感染であることは共通

していますが、そもそもウィルスを殺す薬はありません。

感染による症状を緩和しているだけです。


葛根湯が風邪薬と言われるのは、葛根湯に含まれる麻黄と

桂枝という生薬が発汗を促して身体の中の熱を発散させる

からです。葛根は後頚部〜頭の痛みを緩和させるので

悪寒、発熱があって頭痛がある風邪に適応となるわけです。


なので、下痢や嘔吐が症状の中心である「胃腸風邪」には

ほぼ無力なんですね。当然、嘔吐や下痢を緩和する生薬を

含む漢方薬が治療薬となります。半夏、生姜、黄芩などが

それらの症状に有効な生薬なので半夏瀉心湯や小柴胡湯と

言った薬が「胃腸風邪」には向いています。


まあ嘔吐がひどければ内服自体できないわけで、常に上記

の漢方薬が活躍できるわけではないですが、「胃腸風邪」と

診断されると西洋医学的には特に薬はない、と言われる

こともしばしばだと思うので、知っておくと便利です。

もちろん部屋の換気や、外出後・食前の手洗いは必須です!

2015年12月14日 月曜日

カテゴリー 院長室

タグ