院長室

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癌と闘う②

プロ野球ではスコアラーさんが他球団のデータを集めて

事前に対策を練る、なんてことは今や常識となっていますが、

癌治療においても、闘う前に敵を知ることが極めて重要

です。癌細胞はどんな特徴があるのでしょうか。


まず大前提として癌細胞は我々の細胞から産まれるもので

ある、ということ。細菌やウィルスみたいに体外から侵入

して来るものではありません。なぜ癌細胞が産まれるかと

言うと、細胞分裂の際にDNAのミスプリントが起こるから

です。細胞分裂はDNAを複製して増殖するわけですが、

この時の複製に問題があり不良品ができてしまう、これが

癌細胞です。


当然複製が盛んであればあるほど、ミスプリントの頻度は

上昇するわけで、細胞の入れ替わりの激しい腸管や皮膚に

癌が多いのはこのためです。逆に入れ替わりがあまり起こら

ない心臓なんかは癌が少ない臓器と言えます。


このミスプリントは正常人でも起こり得ます。正常人では

不良品を排除するシステムがあるので、そう簡単に癌には

ならないわけですが、この排除する仕組みが加齢で低下

したり、はたまた酸化ストレスで低下すると癌が生き残り

増殖し始めるのです。


このストレスが厄介者で、若くして発癌する方のほとんどは

ストレスで癌細胞を除去できないのが原因と思われます。

先ほど腸管は癌が多いと書きましたが、大腸癌や胃癌は

よく耳にするけれど、小腸癌って聞いたこと無いですよね。

これは小腸が脳から独立しており、ストレスの影響を受け

にくいからだと考えられます。げに恐ろしきストレスよ。

ギリシア人って癌が少ないのかなぁ。失言。


癌の予防にはストレス対策がとても重要になると言うことが

お分かり頂けると思います。日本人は勤勉で忠実な人種と

言われますが、それが反面、癌発生頻度を上げていると

言えるかも知れません。

2015年7月9日 木曜日

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