症例報告

« 12月 2019 1月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

本治の薬

・先日「本治と標治」について紹介しましたが、漢方薬が本治の薬、標治の薬、と分類されているわけではありません。一つの薬でも、場面に応じて標治的に使ったり本治的に使ったりします。ただ、それでも本治が得意な薬というものも存在します。最もよく使われるのは補中益気湯という薬です。花粉症などのアレルギー疾患の体質改善に頻用されます。どうも免疫機能を賦活する作用があるらしく、アレルギー疾患だけでなく、「風邪を引きやすい」とか「疲れやすい」といった症状に効きます。なんとも漢方らしい薬です。
・また、補中益気湯に含まれる升麻という生薬は「引き上げる」作用があるので、「垂れ下がる病態」、例えば子宮脱、膀胱脱、脱肛、胃下垂に効果がありますし、「気持ちが萎えてる」状態にも良いです。この薬が効くと「とても食欲が出た」とか「仕事に集中できた」なんて声が聞けたりします。アレルギーにも痔にもいいなんて聞くとアヤシゲですが、とても良い薬です。

    2009年3月31日 火曜日

    カテゴリー 症例報告

    タグ

    標治と本治

    ・やっと少し花粉症のピークも過ぎたみたいです。今年は花粉の量が多いだけでなく、黄砂もあってか症状の強烈な方が多かった印象です。
    ・さて漢方には標治(ひょうち)と本治(ほんち)という言葉があります。標治とは対症療法、本治とは体質改善などの根本療法、と思って頂ければよいです。花粉症の場合ですと、西洋の抗ヒスタミン剤処方はもちろん標治です。漢方では本治が醍醐味なのですが、症状が強い時には標治の薬に終始してしまいます。何度か紹介した小青竜湯や麻黄附子細辛湯、越婢加朮湯はどれも標治になります。症状のピークが過ぎて落ち着いたら本治の薬に変えていくのが通常です。そうすると来年の花粉症が楽になったりします。症状がないのに薬を飲み続けるのは抵抗があると思いますが、毎年花粉症でひどい目に遭うという方は、是非続けてみて下さい。

      2009年3月23日 月曜日

      カテゴリー 症例報告

      タグ

      小青竜湯

      ・各媒体で最近漢方薬が取り上げられるようになってきました。それは我々漢方を使う医師にとっては喜ばしいことです。今は花粉症シーズンということで、アレルギーに効く漢方薬なんかの特集をちらほら見ます。以前にも小青竜湯という薬は紹介しましたが、少し詳しく解説します。
      ・小青竜湯という薬はアレルギーの中でも「水っぽい」症状がメインの時に使います。花粉症であれば、鼻水や流涙が主症状の時によく効きます。「知らないうちにサラサラの鼻が垂れる」なんて人は丁度良いでしょう。
      寒い所に行くとくしゃみが出て鼻がつまる、眼や鼻・ノドがムズムズするという人には麻黄附子細辛湯という薬の方がよく効く場合が多いです。また、眼が充血する、鼻の粘膜も赤くなって鼻づまり、咳まで出る人には「冷やす」効果を加えた越婢加朮湯という薬が良いです。もちろん例外もありますが、今はこの3剤が大活躍です。

      ワセリンの応用

      ・いよいよ花粉症シーズンが本格化してきました。もちろん当院では漢方薬をメインに使用して治療しますが、意外にワセリンも活躍します。ワセリンが花粉を直接トラップすることにより粘膜への付着を軽減させるのです。鼻の症状がメインの人であれば、外出前にワセリンを綿棒にとって鼻の穴にぐるっと一周塗布します。眼の症状が主であれば、眼周囲に塗りましょう。
      ・市販でも鼻の中に塗り込む薬がありますが、必ずしも薬効成分は必要ないようです。ワセリンは何と言っても安価で副作用がないのが売りです。もちろん眼の中に入っても大丈夫です。ワセリンはキズの治療や手荒れに使うことが多いのですが、こんな使い方も出来るので、忙しくて病院に来れない方は常備しておくと重宝します。

        2009年2月12日 木曜日

        カテゴリー 院長室

        タグ

        花粉症

        ・そろそろ花粉が気になる季節に入ります。早い方だと2月中旬頃から症状が出始めます。一般に花粉症はアレルギーを抑える抗ヒスタミン薬を使用しますが、口が渇いたり眠気が出たりすることが多いです。漢方薬はこういった副作用が出ないので使いやすく、小青竜湯という薬がメジャーでドラッグストアでも入手できます。ただ一概に花粉症と言っても症状は様々です。小青竜湯は「水のような鼻汁が出る」というタイプにはよく効きますが、「眼が充血する」とか「鼻づまりだけ」、「鼻や眼がかゆい」といったタイプには別の薬の方が効果があります。タイプに合わせて使い分けるという点も漢方薬の特徴です。
        ・ただ、ここ数年の急激な花粉症の増加の背景にこそ目を向けるべきだと思います。ストレスの多い環境、不規則な生活、食事の偏り、胃腸機能の低下…こんな所に原因があるような気がしています。オフシーズンにこういった所を治療するといざシーズンに突入しても、意外と症状が軽いかも知れません。

          2009年1月29日 木曜日

          カテゴリー 症例報告 院長室

          タグ