症例報告

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下肢の広範熱傷-1

久々に湿潤療法の治療例を。

20代、男性、熱湯をかぶり右下肢後面および左足外側に

熱傷受傷。受傷後他院で治療を受けたが、湿潤療法を希望

して来院。p1010704


範囲が広範であること、浸出液が多く被覆材を頻繁に交換する

必要があることから、ペット用のトイレシーツとポリ袋に切れ込みを

入れたもので被覆材を自作してもらい、湿潤療法を行った。


写真は初診時のもの。水ぶくれの膜は感染源になりうるので、可能な限り

除去しています。

当然消毒薬は使っていません。というか医薬品を全く使っていません。(笑)

p1010705

さて、どうなるでしょうか。経過は明日アップします。


…引っ張るなあ、と思ったアナタ。

そうです、写真を何枚も挿入するテクがないだけです。(泣)

2010年3月8日 月曜日

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コワイよ低温やけど

この時期必ず何例か遭遇する低温熱傷。

普通の熱傷より、深くなる、遅れて皮膚が壊死することがある、

というタチの悪さがあるので、治療が長引くことがあります。

原因はほとんどが、肌に直接カイロや湯たんぽをあてることです。

熱傷の深さは、カイロなどをあてていた時間に比例するようなので、

就寝時に使用するときは、肌に直接触れないよう工夫して下さい。



とはいえ、布団の中に湯たんぽを入れて眠るのは気持ちいいですよね。ilm02_dd16010-s1

冷えとは無縁の僕ですが、北海道にいた時は意外とお世話になりました。^ _ ^

レンジでチンして専用袋に入れるタイプのもの(確かユタポンという商品名

だった。ハイセンス。)が安全で、グッドです。

ドラッグストアやホームセンターに売ってます。


あ、もちろん低温熱傷だからといって特別な治療は不要なので、普通に

洗って湿潤療法、でOKです。




2010年2月9日 火曜日

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被覆材あれこれ

湿潤j療法では創環境を「適度に潤す」ことが最大のキモですが、そのためには創を覆うもの(=被覆材)が重要になってきます。ガーゼをあてればもちろん乾燥させてしまって、全く湿潤環境になりませんし、ラップでは乾燥させない代わりに全く吸収しません。そこで様々な被覆材が開発されています。


・ハイドロコロイド

これは一般薬局にもおいてあります。(商品名「キズパワーパッド」) 湿潤環境を保つのには良いですが吸収力がイマイチなので、浸出液の多い創には不向きです。

・ポリウレタンフォーム

これも一般薬局で入手可能です。(商品名「ケアリーブ バイオパッド」) これはハイドロコロイドに比べて吸収力があるので、浸出液の多い創にはこちらの方がよいです。

・アルギン酸塩

これは被覆材というよりは創に固着しない止血剤という位置づけです。出血がなかなか止まらない場合に使用します。


とまあ、この辺がメジャー所ですが、ウチでは湿潤治療の産みの親、夏井先生が開発されたプラスモイストを使用しています。ポリウレタンフォームに比べると吸収力は落ちるものの、扱いやすく、何より安価です。保険請求はできませんがコスト面で助かります。で、このプラスモイストも一般販売されています。愛知県では名古屋と清須だけですが、家にあれば有用です。(販売場所参照:当サイトリンクページ「新しい創傷治療」→プラスモイストP取扱店)

2009年9月10日 木曜日

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バイキン

・「バイキン」と聞くと無条件に悪者のイメージが浮かびますが、バイキンの正体は細菌です。どうやら細菌が悪さをして感染状態になった時に「バイキン」と呼び名が変わるみたいです。細菌は人間の身体のいたる所にいますから、いわば人間と細菌は共生関係にあると言えます。決して細菌自体が悪者というわけではないのです。
・ということで、細菌をむやみやたらに殺す消毒は共生関係を壊すことになり、人間にとっても害になるわけです。細菌が悪さをしはじめるのは、一定以上に増殖した時のみで、そうでなければ感染状態にはなりません。運悪くケガをしてしまって感染を予防したいのであれば、細菌が増殖しない環境を作るに尽きます。
・細菌が増殖する環境というのは、人体から切り離された物体がある場合です。例えば砂や泥、カサブタもいけません。こういった“不純物”を取り除いて、普通に水道水で洗って適度に湿潤状態にしいていれば、キズはトラブルなく治ります。

2009年6月1日 月曜日

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