院長室

« 7月 2024 4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

体質改善とは

よく漢方薬は「体質改善ができる」と言われます。実際それを

求めて来院される患者さんも多いです。この場合に対象となる

症状は例えば花粉症やアトピーなどのアレルギー疾患、冷えや

便秘や易疲労感といった病気とは捉えられない愁訴、生理に

まつわる諸症状、などです。


確かにこれらの症状は西洋医学的なアプローチよりも漢方医学的な

アプローチの方が効果的であることが多いです。で、効果があると

体質が変わったんですよ、なんて軽々しく言ってしまうわけですが

本当に変わったかどうかは薬を中止してみないと分かりません。

薬を飲まなくなったらまた同様の症状が出てしまった、では体質は

変わったことにはなりませんよね。


漢方薬で体質が改善する例は確かにあるのですが、本当の意味で

体質を変えるのはその名の通り、体を造り替えるのが最も確実

だと思うのです。人間はその材料を口からしか摂れないわけです

から、体の改造=体質改善はすなわち食事を変えることになるわけ

です。


オーソモレキュラー療法の祖、A.ホッファー先生は診察の時、患者

さんの訴えを一通り聞いたのち、おもむろに

「ところであなたはこれまで何を食べてきたんですか?」

と必ず聞いたそうです。素敵ですね。現在の姿はすべからくこれまで

の食生活の結果である、というわけです。非常にシンプルで説得力が

あると思います。


体質改善を要するような病態が多い現代では、まさに食生活の改善

こそが治療の近道になるような気がしています。

2012年7月9日 月曜日

カテゴリー 院長室

タグ

「臨場 劇場版」

テレビドラマでちょっとヒットすると忘れられないうちにと

最終回でいきなり「映画化決定!」みたいな余韻をぶち壊す

マネをし、公開後見事にズッコケるという悪習がのさばる

邦画界ですが、この「臨場」は違いました。

 

内野聖陽のハマリ役となった検死官が主人公のサスペンスもの

ですが、テレビシリーズの時から一貫して重厚なストーリー

と明確なテーマに重きを置いていた作品で、しかも俳優陣が

上手だったので、毎週楽しみにしていました。

派手なアクションやドンデン返しといった飛び道具のない作品

で、果たしてどう劇場版を仕上げるのか、興味半分不安半分で

したが、見事に「臨場」らしい具合にできあがっておりました。

 

劇場版は外伝的な扱いになることが多いですが、本作はしっかり

本編としてストーリーが進行するので、テレビシリーズからの

ファンは必見と言えます。反面、セカンドシーズンまで作成された

人気作ゆえ、一見さんは多少厳しいかも知れません。もちろん

ミステリとして楽しむ分には特に問題はありませんが、人間関係

や劇中必ず出る決め台詞(笑)はファンだからこそ受け入れられる

というものです。

 

今回のテーマは刑法第39条、心神耗弱者の犯罪は無罪にする、

というとても2時間で解決できないような重い問題です。実際、

うまいこと逃げてしまった感があり、その部分は消化不良でした

し、演出的にベタな部分もあり、決して満点な作品ではないですが

レギュラー陣に加え、長塚京三、若村麻由美、平田満、といった

名優が迫真の演技を見せてくれます。大がかりなロケをすること

が映画化だと思っている邦画界にとっては意味のある作品です。

 

そうそう、エンドロールの後にワンシーンありますので、観に

行かれる方は、どうぞ劇場が明るくなるまでお席でお待ちください

ませ。(笑)

あと作品の性質上、一部グロいシーンがありますのでご注意を。

2012年7月5日 木曜日

カテゴリー 院長室

タグ

上半期終了

表題とは全く関係ないのですが(ええっ?!)、土曜日は中学・

高校時代の友人達との宴会でした。思いがけず実に20年ぶりに

会うヤツもいて、プチ同窓会状態に。

僕は大人数が集まる会がニガテなので、同窓会の類はこれまで

出席したことがなかったのですが、この日は少人数だから、

という理由でなくとても楽しかったです。


久しぶりすぎて現状を報告するだけで精一杯で昔話にもたどり

つけず、というか現状を報告する以前にガキの頃みたいな下らない

やりとりだけで終わってしまった、みたいな(^ ^;)

ああ、昔はこんな感覚で話していたな、と思い出して今はあまり

にあれこれ考え過ぎちゃってるのかもな、と思ったり。まあそれが

成長なんでしょうけどね。なんか古いのに新鮮でした。


同窓会もまんざらじゃないかも、と思ったけどでもきっと行かない

だろうな。(←成長してない *o*)たまにこんな会があると癒される

ことが分かっただけでも収穫でしたよ。

いやあ、上半期を締めくくるにふさわしい日でした。

お、むりやり表題に戻った。(笑)

2012年7月2日 月曜日

カテゴリー 院長室

タグ

神経線維破壊症候群

これは正式な病名ではなく、神経線維が破壊されることに

よる激しい疼痛を主訴とする疾患群の総称です。例えば、

三叉神経痛、帯状疱疹後神経痛、複合性局所疼痛症候群、

などが挙げられます。これらは難治病の代表選手でもあり

一度この病態になるととても治療が困難です。治療が困難な

だけでなく、痛みのせいで日常生活もままならなくなるため、

患者さんは痛みだけでなく、社会的にも大変な苦痛を強いられる

ことになります。


西洋医学的にはただひたすらに対症療法しかありません。最近

ではリリカやトラムセットという新薬も発売されて期待が

寄せられてはいますが、やはり対症療法であることに変わりは

ありません。全例に効果があるわけでもなく副作用も結構な頻度

であるので、福音とはなっていないのが現状です。あとはブロック

注射などに終始するしかなく、はっきり言って西洋医学的には

お手挙げな病態なんですね。


僕がそもそも遠絡療法に関心を持ったのもこの神経線維破壊症候群

が治せる、という謳い文句があったからです。確かに西洋医学的な

治療とは違う効果を上げます。現状、神経線維破壊症候群と真っ向

から戦える唯一の治療法なのではないかと思いますが、遠絡療法の

弱点はやはり治療そのものが痛いことです。「普段の痛みに比べれば…」

と歯を食いしばって治療に耐える患者さんを見ると、何とか治さねば

と気が引き締まります。神経線維の回復は良くて1日1mmなので、

例えば指1本に症状があればそれだけでも100日くらい時間を要する

ことになります。ですから、例え遠絡療法が効果があっても、完治には

数ヶ月要するのが普通です。痛い上に治療期間が長引くことも患者さんを

疲弊させます。


まだまだ改良の余地の多い遠絡療法ですが、副作用が無いことが救いで、

不謹慎ではありますが、戦える武器を持っていることは僕にとって幸せ

なことです。治せないとこれがまたとてつもなく悔しいんですが(^ ^;)、

遠絡療法に限らず、難治と言われ疲れ切った人を救える医師でありたいと

思います。

2012年6月28日 木曜日

カテゴリー 院長室

タグ

たくましい胃に

梅雨入りした割には晴れたり寒かったりと、なんかペースを

崩され気味ですが、そのせいか今年はまだ得意の(笑)五苓散

を使う症例が少ないように感じます。

その代わりという訳でもないんでしょうが、胃腸障害の方が

多い傾向です。これから夏ばての季節にもなっていくので、

胃腸症状を短期間で治せるかはウデの見せ所でもあります。


一口に胃腸症状と言っても胸焼けから胃痛、便通異常まで、

そりゃもうバラエティに富んでいます。漢方的に胃腸症状と

戦うときはやはり症状よりもその裏にある“証=状態”を見極める

のが大事です。冷えているのか熱いのか、気の異常なのか水の

異常なのか。同じ症状でもこれらの差によって使う薬は違って

きます。


日本は湿気が多い国で、勤勉な民族性なので、「気+水+寒」に

異常がある方が大多数を占めます。この中で気の異常が強ければ

補中益気湯(ホチュウエッキトウ)、水の異常が強ければ六君子湯(リックンシトウ)、

寒が強ければ人参湯(ニンジントウ)、と言った具合に使い分けます。

そもそも胃腸症状がある場合は、消化吸収能が低下していますから、

薬の効き方も悪くなります。ですから、たとえ腰痛の患者さんでも

胃腸症状があればまずはそちらを治すのが優先されるんですね。


そして忘れちゃならないのが栄養です。薬が吸収されて各臓器に

運搬されるためには、たいていの場合専用のタクシーが必要です。

そのタクシーの正体は蛋白質です。ですからここでも蛋白質摂取を

怠ってはいけないのです。

まあ胃腸が弱ってる時にステーキは無理がありますから、納豆や

豆腐、卵料理で補給するのがいいでしょうね。オススメは鰹節です。

味噌汁や冷や奴など何にでも振りかけてこまめに蛋白補給を!

2012年6月25日 月曜日

カテゴリー 院長室

タグ