院長室

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サプリは賢く使う

栄養療法ではサプリメントを多用しますが、あくまで

医療用のものに限ります。市販されているものは使い

ません。基本的に自分で使った経験のあるものでないと

不安、というのもありますが治療レベルの効能を保証

できる必要があるからです。

 

サプリメントは食品のカテゴリーなので食品衛生法で

管理されますが、これには原材料の表示義務はあっても

内容量の表示義務はありません。つまり商品に記載され

ている栄養素の量は製造時のものでしかないわけです。

 

これでは治療にあたって少し信頼に欠けます。医療用の

ものは厳しい基準をクリアして薬剤と同じ品質を保って

いるので表示と内容量に差はありません。我々としても

こちらの方が安心して勧められます。

 

さて、しかしながらサプリは保険適応外なので当然高価

に感じます。サプリは食事の補助なので食事で充分治療に

なり得る場合は不要です。食事だけでは効率が悪い場合に

適応になります。ただ闇雲に不足栄養素を全て摂れば

いいわけではありません。病態に合わせて優先順位の

高いものから始めるべきです。あとは食事を変えようと

すると意外と食費が高騰するので(^ ^;)、最初から

サプリ摂取した方が安上がりの場合もあったりします。

 

そして忘れてはいけないのが、サプリは足し算の治療で

あるということ。過剰なものがあれば引き算をする必要

があります。そしてむしろその方が重要です。サプリメント

は使用目的、使用順序を常に考慮することが大切です。

    2017年12月11日 月曜日

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    梗塞と血糖値

    脳梗塞、心筋梗塞…できれば仲良くなりたくないコトバです。

    梗塞とは血流が途絶えて細胞が壊死してしまうこと。脳梗塞

    なら脳細胞の壊死ですから、壊死した部位が担当する機能が

    失われます。例えば運動麻痺、例えば構語障害。心臓の筋肉が

    壊死するのが心筋梗塞ですが、心筋は絶えず身体に血液を

    送っていますから、これが失われれば死に直結します。

     

    梗塞が起きてしまうと通常元には戻りませんから、もう予防

    するしかありません。梗塞が血流障害で起こるなら、その血流

    を維持することが重要になりますが、そこで登場するのが

    動脈硬化ですね。動脈が硬くなると、充分に血液を押し出せ

    なくなるどころか、動脈の径が細くなって血液量も減ります。

     

    その硬化した動脈を輪切りにしてみるとコレステロールが

    たくさんくっついていたので、おお、これはコレステロール

    を減らすことが治療になるんだな!となり、コレステロール

    を含む食品を制限するように指導されていました。あ、今も

    そうね。(^ ^;)

     

    まあ全否定はしませんが、現実、あまり梗塞疾患は減って

    いません。となると、他にも犯人がいると考えるのが普通

    です。それが実は糖質です。糖質を摂ると誰でも血糖値は

    上昇しますが、上昇する速度と同じ速度で低下もします。

    もしも急に上昇すれば急速に降下もしてしまい、ここで

    「ヤバイ、低血糖かも!」と身体が反応して血糖上昇ホルモン

    を分泌します。このホルモンは血管を収縮させる作用が

    あるので、めでたく(?)血流が悪化するという仕組みです。

     

    ここで血糖値を急降下させているのがインスリンという

    ホルモンですが、実はインスリンはコレステロールの合成を

    促進させます。つまりたくさんインスリンを必要とする

    食事をすればコレステロールも上昇するわけですね。

    寒さで血管が収縮するのは避けようがないので、やはり

    空腹で糖質を摂らないように工夫することがとても重要です。

      2017年12月7日 木曜日

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      冷えにはショウガ

      冷え症に悩む方は多い上に、西洋医学では適当な処方が

      ないので、自然この分野は漢方薬の独壇場になります。

      では、何が効くのか?

       

      一般的には冷えにはショウガが良いとされます。これは

      正しいのですが厳密には乾燥させた「乾姜」が温補作用

      を有します。生の「生姜」はどちらかと言うと吐き気の

      薬になります。「乾姜」の分量が多い漢方薬ほど温める

      効能が高いことになりますね。

       

      例えば大建中湯という漢方薬は腸の薬と認識されています

      が、乾姜が非常に多く配合されているので、そもそも冷え

      のある方向き、というか冷えがなければあまり効かな

      かったりします。半夏白朮天麻湯という薬は唯一、生姜と

      乾姜が両方配合されていますが、効能の差が分かれば

      納得できます。

       

      さて、乾姜は温補作用はありますが、冷えの原因治療

      というわけではありません。「気」に問題があれば

      補気薬との併用、「血」に問題があれば補血薬、「水」

      に問題があれば利水薬、という風に原因治療になり得る

      生薬との組合せを考えて処方選択をします。ここが

      漢方薬の妙味です。逆に言うと、配合される生薬を

      知らないで漢方薬を処方するのは使いこなせない原因に

      なります。

        2017年12月4日 月曜日

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        「ブレードランナー2049」/「ローガン・ラッキー」

        今年はもうそんなに期待作がねーなー、と思っていた矢先、

        良い意味で裏切られた2作品です。

         

        まず「ブレードランナー2049」。80年代のSF映画の

        金字塔(と言われている)の正統続編。35年後の世界を

        描いています。正直僕は、タイムリーで観ていない上に主人公

        が大して格好良くないし世界観も好きではなかったので、

        今や売れっ子のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督がよくこんな

        ハードルの高い続編作品を引き受けたな、で、どう仕上げた?

        的へそ曲がりな興味で鑑賞しました。(^ ^;)

         

        …いや、すげー。そして、すげー。なぜ2回言うか、まずは

        この続編の方が面白いという点、そしてしっかりこの監督の

        作風になってしまっている点。脱帽です。リドリー・スコット

        も腰抜かしたんじゃないかしら。オープニングの構図から

        前作を踏襲していて、アジアンチックな雰囲気も引き継ぎ

        ながら物語の核である人間とレプリカントの関係をしっかり

        描きかつ自分の色で演出し切るという超偉業を成し遂げました。

        恐るべし。主演のライアン・ゴズリングさんも見事に期待に

        応えています。前作鑑賞が必須なのが難点ですが、今からでも

        観て今作を鑑賞する価値は十二分にあります。さらに2回目

        も観たくなるでしょう。

         

        そして「ローガン・ラッキー」。2013年に引退宣言したのに

        もう撤回しちゃったスティーブン・ソダーバーグ監督の作品です。

         

        でもやはりこの監督は面白い。今作は不運な人生を打破すべく

        現金強奪を目論む兄弟たちのお話。これだけ聞くとむしろ

        反感を買いそうな設定ですが(^ ^;)、これがまた不自然に

        感じることなく引き込まれます。これは出演陣の上手さに

        依るところが大きいかな。いきなり子役が上手いもの。

         

        主演のチャニング・テイタムさんとアダム・ドライバーさんに

        加え、ダニエル・クレイグ、ライリー・キーオ、トドメの

        ヒラリー・スワンク、と技巧派目白押し。犯罪ものですが

        脚本がテクニカルでサスペンスとしてもなかなかのものです。

        さらにコミカルな演出もあって意外と全方向性に楽しめる

        作品に仕上がっています。ちょっと終盤展開について行け

        なくなる感はありますが、こちらもとても楽しい作品でした。

         

        いやー、拾いモノどころかどちらも必見の作品でした。

        あぶないあぶない。でもジャスティス・リーグは観ない

        かな。(笑)

         

          2017年11月30日 木曜日

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          正しいこととできること

          僕の治療の進め方は、薬物療法、運動療法、食事療法の

          3つを病態に合わせて、あるいは社会性に合わせてバランス

          を考慮して提案する、というものです。特に近い将来

          訪れるであろう保険制度の変革に備えるにはセルフケアや

          予防医学が重要になるでしょうから、運動と食事の分野に

          重点を置いています。

           

          運動療法と食事療法は経済的で予防に繋がる反面、面倒

          ですよね。知ってます。(笑)僕も色々と勉強している

          つもりですが、全て知っているわけではないので、提案が

          その方にとって最適かどうかはいつも気にしています。

           

          この分野ではこれが正解!ってのは無いし、教科書通りに

          行かないことなんてザラなので、現状自分や家族で実践して

          みて良さそうだ、と判断できるものを正義(?)として

          捉えています。

           

          そうすると、教科書的に「正しいこと」をやってもらう

          よりも「できること」をあぶり出すことの方が大事だと

          気付きます。糖質過剰の方に糖質制限は正しいですが、

          その人はまず何ができるのか、を考慮しなければ大抵

          うまくいきません。運動療法もまた然り、です。

           

          患者さんからすると、医師の発言は絶対的なもののよう

          に捉えられがちですが、こういった生活習慣を変える

          治療は習慣が人それぞれである以上、やり方も千差万別

          なはずです。まずはできることって何だろう、これな

          できそうだ、こんな会話が診療でできるようになると

          いいですね。

            2017年11月27日 月曜日

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