院長室

« 12月 2020 1月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 2月 »

漢方薬解説 麻杏薏甘湯

4回目にしてもうマニアックな処方になりますが(^ ^;)、実は

ウチでは頻用している漢方薬です。関節痛や筋肉痛に有効だから

です。

 

・麻杏薏甘湯(マキョウヨクカントウ 78番)

構成:麻黄4g+杏仁3g+薏苡仁10g+甘草2g

 

お気づきの方もいるかも知れませんが、この漢方薬の名前は

構成する生薬4つの頭文字を並べたものです。そして前回紹介

した麻黄湯とは近似処方なんです。麻黄湯は麻黄+杏仁+桂皮

+甘草でしたから、桂皮が薏苡仁になっているだけなんですね。

 

生薬が一つ変わっただけで、風邪薬が鎮痛薬になるのですから

不思議です。というのも麻黄+桂皮では解熱作用がありますが、

麻黄+薏苡仁となると鎮痛作用が強くなるからです。このように

組合せで効能が変化するのも漢方薬の特徴です。ちなみに桂皮は

ないものの咽頭痛を抑える杏仁は入っているので78番が風邪

に使えないわけではありません。悪寒発熱と共に筋肉痛があれば

むしろ麻黄湯より良いかも知れません。

 

同様の構成の漢方薬がまだあります。

・麻杏甘石湯(マキョウカンセキトウ 55番)

構成:麻黄4g+杏仁4g+甘草2g+石膏10g

 

これも生薬の頭文字を並べた命名で麻黄湯の桂皮が石膏になった

だけです。しかし麻黄+石膏は水分を引き込む作用があるので

むくみが得意な薬に変わります。喘息に使用されることの多い

漢方薬なんですが、それは喘息発作時気道粘膜がむくむことが

あるからです。石膏は冷やす効果が強いので、麻黄同様、あまり

常用することはありません。冷やすことを利用して皮膚炎や

関節炎に使用することもあります。

 

この55番に桑白皮(ソウハクヒ)という生薬を足すと五虎湯

(ゴコトウ 95番)という薬になります。桑白皮も鎮咳の生薬

なので、より呼吸器症状の強い方向けになります。95番も

麻黄湯近似処方であることが分かりますね。麻黄は組合せに

よって効能が変化するので応用範囲が広いですが、副作用も

結構あるので過量は禁物です。関節痛と咳があるから78番+

55番で!なんてやると麻黄を8gも摂ることになるので危険

です。それを防ぐためにも生薬構成を知ることが大事なんです。

    2020年1月30日 木曜日

    カテゴリー 院長室

    タグ

    ウィルス対策

    世間を賑わしているコロナウィルス感染症ですが、愛知県でも

    感染者が出てしまいましたね。感染源がはっきりしていないこと、

    中国からの渡航者が増えることなどから、どうしても不安を

    煽る報道がなされてしまいます。

     

    確かに不確定要素が多いのは不安ですが、ならばこそやることは

    決まっています。手洗い、うがいはする方が良いですができれば

    鼻うがいをしたいですね。ツールとしてはハナクリーンS

    お勧めです。次亜塩素酸のスプレーも有用です。外出後、室内や

    衣服に噴霧すると良いです。触れても安全なので手や身体に

    かけてもOKです。

     

    栄養素ではビタミンCが何より重要です。白血球の能力を左右する

    からです。食材ではレモン、ブロッコリー、パプリカが身近では

    ありますが、それだけでは不十分かも知れないので、この期間

    だけでもサプリメントで補給しておく方が安心です。子供でも

    食べられるチュアブルタイプを用意していますのでご利用くだ

    さい。

     

    免疫にはビタミンDやA、亜鉛、グルタチオンも関与するので、

    これらの不足がある方は積極的に補給すべきですが、現在

    キャンペーン中のオリーブ葉も直接的に抗ウィルス作用がある

    ので持っておくと良いかも知れません。ちなみに抗生剤は効果

    ありませんので使わないように。

     

    マスクの着用は予防にはあまり効果的とは言えませんが、自身

    がもし咳などの症状を有する場合は必ずしてください。あとは

    身体が冷えると免疫力が低下しますから、温める工夫はすべき

    です。特に首回りを温めてください。タートルネックやマフラー、

    カイロですね。めぐりズムの貼るタイプもいいですね。

     

    過熱報道はパニックの誘因にもなり得ますが、未知なものゆえ

    情報は大事です。感染の分布状況くらいは知っておく方が良い

    でしょう。そして上記を取り入れて備える、というのが現時点

    でのベストだと思います。

      2020年1月27日 月曜日

      カテゴリー 院長室

      タグ

      足が冷える原因は…

      「足の冷えが悩みです。」

       

      こんな女性の方がみえました。

       

      他の症状をうかがってみると

      ・イライラ

      ・にきび

      ・首の痛み

      ・手のひらや足裏が汗ばむ

      などを訴えていました。

       

      足の冷えで困っているのに、手足が汗ばんでいますね。

      これは、どういうことでしょうか?

       

      東洋医学には、「陰陽の概念」があります。

      これは世の中の事物を、陰と陽に分けて捉えた考え方です。

       

      陽…昼、天、熱、動

      陰…夜、地、寒、静

      といったイメージです。

      これは自然界の現象を分類したものですが、

      先人は身体にも当てはめて考えました。

       

      陽…上部、左、男、背中

      陰…下部、右、女、お腹

      といった感じで、あらゆるものが相対的に陰陽に

      分類されます。

      例えば自律神経は交感神経が「陽」、

      副交感神経は「陰」となります。

       

      さて、上記の症状を陰陽でみていきますと、

      イライラは、熱(陽)が多い状態と捉えることができます。

      怒っている状態の表現で、頭から湯気が出ていたり

      顔が真っ赤になっていたりすることからも分かりますね。

       

      にきびは、赤く腫れますのでこれも熱(陽)。

      顔や首は身体の上部に位置しますので、部位的に陽です。

      手足が汗ばむのは、熱があるからですね。

      以上のことから、身体の状態は陽に傾いている

      すなわち熱が多い状態というのが分かります。

       

      ということは、足の冷えは冷えているからではないんですね。

      熱が多いから身体は冷まそうとして、

      結果的に冷えるわけです。

      熱が多いことが根本の問題ですから、温めてはいけません。

      さらに熱を加えることになるからです。

       

      このように、一部の症状だけにとらわれると

      対応が逆になってしまうことがあります。

      身体を全体的に捉えていく視点が必要ですね。

       

       

       

        2020年1月25日 土曜日

        カテゴリー はりの部屋

        タグ

        漢方薬解説 麻黄湯

        漢方薬紹介3回目は麻黄湯です。インフルエンザの治療で使用

        する機会があるので、比較的有名な処方です。

         

        ・麻黄湯(マオウトウ 27番)

        構成:麻黄5g+桂皮4g+杏仁5g+甘草1.5g

         

        非常にシンプルに4つの生薬のみで構成されています。一般に

        構成生薬数が少ないほど速効性がありますので、風邪などの急性

        疾患に使用する漢方薬は生薬数が少ないことが多いです。

         

        葛根湯の中にも配置されていた麻黄+桂皮がメインにあります。

        これは体表を温め発汗させて解熱を促す効能があるので、悪寒

        発熱かつ汗がない、という病態が対象になりますね。葛根湯に

        比べ麻黄、桂皮共に配合量が増えていますから、ここに注力

        した処方であることが分かります。発汗過多に対する甘草も

        ありますね。杏仁はあんずの種のことで、喉の腫れや咳を

        収める効果がありますから、ノド風邪向きの処方というのも

        分かります。

         

        注意点は麻黄の量が結構多い、ということです。麻黄はエフェ

        ドリンという成分が多く、これによって交感神経過緊張を招く

        ことがあります。症状では悪心や胃部不快が多いですが、尿が

        出にくくなったり、やたらまぶしく感じるようになる、なんて

        こともあります。それに対抗する胃腸系の生薬は配置されて

        いませんので、副作用が出たら速やかに中止すべき、ある意味

        “攻め”の漢方薬です。もちろん常用はしません。

         

        インフルエンザの流行期によく使用されますが、決して抗ウィルス

        作用があるわけではなく、感染時の症状が麻黄湯の守備範囲に

        一致している、というだけです。予防効果もありません。あまり

        発熱がなく倦怠感が主のB型では麻黄湯の効果は薄いでしょうね。

        逆に症状がマッチさえすればインフルエンザ以外の感染症に

        だって効果はあります。

         

        ちなみに麻黄湯と桂枝湯を半分ずつ混ぜて、胃腸に配慮できる

        ようにし、麻黄量を抑えた処方があります。桂枝湯、麻黄湯

        各半分ずつ、と言う意味で「桂麻各半湯(ケイマカクハントウ)」と言い

        ます。素直なネーミングですねぇ。(笑)1袋の量も少なく

        飲み易いのでウチでは結構使うことが多いです。

          2020年1月23日 木曜日

          カテゴリー 院長室

          タグ

          脳のチカラ

          先週末はセンター試験でしたね。患者さん、患者さんの

          御家族にも受験者がいましたがどうだったかなー?天候には

          恵まれた感じでしたが。僕は飲んでましたが。(^ ^;)

           

          もう30年近く前ですが、思い起こせば試験の日はかなり緊張

          したし、思ったような結果が出せなかったし、あの時栄養療法を

          知っていれば…!とか思わないでもない。もしかしたら働かない

          で生きていく方法を発明していたかもなぁ。(笑)

           

          緊張するのも実力を出せないのも、結局は脳機能によるもの

          ですが、脳を客観的に評価するのは意外と難しいです。画像

          検査は形態的な異常を発見する意義が大きいので、機能の

          尺度にはなりにくい。セルフチェックするにしても、その判断

          をするのも脳ですから脳機能に不調があれば、鈍感になって

          放置してしまうかも知れません。

           

          学問に限ったことではなく、柔軟な発想ができたり、冷静に

          判断ができたり、物事を俯瞰して捉えられたりする能力はとても

          魅力がありますよね。性格や先天性のものも当然あるでしょうが、

          脳の特性を知れば対策を練ることはできます。「脳は脂肪で

          できており、燃費が悪い」です。

           

          脳は脂質が大部分を占めている臓器なので、悪い脂質を摂って

          いれば当然脳機能にトラブルを生じます。そして燃費が悪いので

          短時間しかもたない糖質をメインエネルギーにしているとすぐに

          ガス欠になります。ファストフード店のフライドポテトや

          夜食にラーメンやチョコ、なんてものを食べていたら長丁場の

          試験は戦いきれないでしょう。

           

          メインに青魚をしっかり食べて、飲み物にココナッツオイルを

          入れる、もちろん空腹状態で糖質を摂らない、これだけでも

          脳は喜ぶと思います。まだまだ2次試験があります。能力を

          最大限に発揮するために“脳”力を養いましょう!ちなみに睡眠も

          しっかりと。僕は大学生の時、気合い入れて遅くまで勉強して

          朝起きられず試験をすっぽかしたほどの男ですからね。実感

          こもってます。(笑)

            2020年1月20日 月曜日

            カテゴリー 院長室

            タグ