院長室

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治るちから

患者さんが「治る」ために存在するのが僕ら医療者ですが、

「治る」の定義は人によって違います。日常生活に支障がなく

なればOKなのか、症状をゼロにしないといけないのか、あるいは

より強い身体をつくるのか、など。

 

それにより提案する治療も変わってくるのですが、忘れちゃ

いけないのは、我々の身体は新陳代謝という自己修復能力を

みんな予め持っているということです。例えば軽いすり傷

であれば病院に行くまでもなく自然と新しい皮膚に置き換わり

ます。風邪だって軽ければしっかり寝るだけで治りますよね。

 

俯瞰してみれば、治療とは個人の新陳代謝能を上げてあげるか

新陳代謝の邪魔をするものを排除するか、の2通りだけです。

ただ治療にはそれぞれ一長一短がありますので、なるべく

病態により合うものを提供できるかが医療者の能力、という

ことになります。

 

僕が栄養療法を積極的に提案しているのは、新陳代謝に働き

かけることができ、そして個人の病態を分析できるからです。

これはなかなか他に類を見ない特徴です。栄養療法では

糖質を敬遠する向きがありますが、これは感覚的に言って

いるのではなく、糖質過剰が新陳代謝を邪魔しなおかつ

副作用が出ること、そして分析してみると糖質過多の方が

多いからなんですね。

 

症状がなかなか良くならないと、自分は特殊なんだ、とか

自分は不幸だ、とネガティブ思考になりがちですし自暴自棄に

なったりもします。でも、生きている以上新陳代謝は必ず

行われているわけですから、そこに眼を向けて自分で自分を

応援してあげられればきっと光明が見えると思っています。

2018年3月26日 月曜日

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