院長室

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心不全とは

俳優の大杉漣さんが急逝されてにわかに注目されている

心不全ですが、そもそも心不全は「心臓が機能していない」

という意味で病名ではありません。

 

なぜ機能していないのかによって当然経過も治療も異なる

わけですが、大きく急性と慢性があります。例えば

心筋梗塞や急性大動脈解離は突発的に症状が出て、急激

に悪化し死に至ることもあります。逆に弁膜症や呼吸器

疾患などでは徐々に心臓機能が悪化していきます。

 

慢性心不全の場合、すぐに死に至らないとは言え日常生活

には大きな影響を与えます。呼吸が苦しい、動悸がして疲れ

やすい、むくみで重い…etc.それぞれ対症的な薬はありますが、

根本的に改善させるのはかなり難しいです。心臓はミトコン

ドリアが豊富な臓器なので、栄養療法ではビタミンB群や

コエンザイムQ10などを使用します。タンパク摂取をしつつ

ふくらはぎの筋肉を鍛えるためのつま先立ち運動も有効ですね。

 

では急性の場合はどうでしょう。急激に進行するため手を

打つ間もないことがあるので、むしろこちらの方が予防に

重点を置くべきだと思います。心臓は全身に血液を送り出す

ポンプですが、心臓そのものを養う血液も必要です。その

血管を冠動脈というのですが、この血管が詰まって心臓の

筋肉が壊死することを心筋梗塞、詰まりはないけど血流が

悪化した状態を狭心症と言います。

 

となればこの血管、血流を維持する、悪化させないことこそ

が予防になります。そしてそれはコレステロール値を下げる

ことではありません。血糖値の乱高下を招かないことです。

大杉さんがそうだったと言うわけではないですが、こういう

悲しい事例を予め防ぐ努力はしないといけません。

2018年2月26日 月曜日

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花粉症の本

栄養療法の旗手、溝口徹Dr.の新刊が出ました。タイトルは

花粉症は1週間で治る!」…またこういう挑戦的な…(^ ^;)

もちろん内容は栄養療法でどう花粉症を捉えるか、なんですが

平たく言えばビタミンDの重要性を説いた本です。

 

ビタミンDについてはこれまでも何度か著書で述べられて

いますし、溝口先生以外の栄養療法Dr.の書籍もあります。

アレルギー疾患だけでなく、うつや癌、生理の不調なども

ビタミンD不足が関与するようなので、実は花粉症に

限ったことではないのですが、まあこの時期出版するから

このタイトルなんでしょう。(笑)

 

実際にウチでもサプリメント摂取で花粉症やアトピーが

改善した例はありますが、なぜ不足するのかが重要です

よね。それは食事なのか日光不足なのか、はたまた腸の

吸収障害なのか。やはりこの視点が必要です。溝口Dr.の

本もビタミンD推しではありますが、最終的には包括的な

栄養摂取の重要性を強調しています。ならこのタイトルは

どうなのよ?!とまた最初に戻るワケですが。(^ ^;)

 

ちなみに同時期に出た宗田哲男Dr.のケトン体食の本

併せて読むと尚よろしいでしょう。こちらも内容は

糖質制限の推奨本で、ケトジェニックな身体にする

重要性と方法を説いています。花粉症を治すには結局

ここまでやらないといけないと思います。

 

栄養療法は身体を作り変える治療法なので、かなり応用

範囲が広い分、逆に指導や提言は結局同じ所に着地する

ことが多いです。すると書籍もタイトルは変わっても内容は

そんなに変わらない、となってしまいますね。お二人とも

啓蒙活動に熱心な良い先生なので、却って苦労してみえる

と思います。

2018年2月22日 木曜日

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Bスポット療法の本

慢性上咽頭炎に対する塩化亜鉛塗布をBスポット療法と言い

ますが、この度この治療の第一人者である堀田修先生の

新刊「つらい不調が続いたら慢性上咽頭炎を治しなさい

が出版されました。

 

堀田先生の著書はこれまでも何冊か出版されていますが、

今回の本はイラストなどを多用しており取っつきやすいです。

またBスポット療法に付随するセルフケアなども紹介されて

いるので、とても充実した内容だと思います。

 

そもそも慢性上咽頭炎は認識されていないだけで、結構

昔から言われている病態です。鼻閉や後鼻漏などの耳鼻科

的症状だけでなく、頭痛、不眠、アレルギーなどとの関連

もあるようです。最近では副腎疲労の治療にも用いられる

ようになって、栄養療法業界でも注目されているんです。

 

Bスポットという名称は “鼻咽腔” の “び” から来ている

という何ともお茶目な理由ですが、海外からの問い合わせ

などに説明が難しいらしく(笑)、最近では上咽頭擦過

療法の(英語の)頭文字でEATと表現しているようです。

ま、その方がいいでしょうな。

 

実は来月の健康教室はこの上咽頭炎をテーマに実施する

ので驚きのタイミングなんですが、この本を読まれると

僕が話す必要がなくなるじゃん、という側面も。(笑)

でも巻末の実施医療機関にウチも載せた都合でしばらく

当院でもこの書籍を販売しますので、ご興味がある方は

お申し付けください。その上で健康教室も参加して

頂けると尚良し。(^皿^)

 

Bスポット療法は程度がひどいほど痛い治療でもあるので

ちょっとハードルは高いですけど、一考する価値はある

と思います。

2018年2月19日 月曜日

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『東洋医学とはりのお話し その28』ができました

立春を過ぎ、暦では春となりました。

しかしながら、昨日は雪がちらつくこともありまだまだ寒いですね。

 

月に一度発行している『東洋医学とはりのお話し その28』ができました。

今回は、春の過ごし方についてです。

私たちの身体は、自然界からの影響を受けます。春には春の養生法があり、

それに反すれば健康を害します。

これらについて、簡単にまとめましたので興味がある方はぜひどうぞ。

会計窓口に置いてあります。

 

今週の予約状況です。

2/19(月) 2/20(火) 2/22(木) 2/23(金) 2/24(土)
午前 ×
午後

〇…空きあり △…一部空きあり ×…空きなし

2018年2月18日 日曜日

カテゴリー はりの部屋

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病後におかゆ

インフルエンザの猛威もやっと落ち着きを見せてきました。

これだけ蔓延したのはA型とB型が同時流行したのが原因の

一つですが、そもそも人間の免疫力が落ちているのも大きい

のではないかと思っています。

 

それはさておき。風邪の後や、手術後などの回復期には

「消化の良いおかゆ」を食べることが何となく常識になって

います。普段糖質制限をしている人でさえも、疑いなく

おかゆを食べていたりします。

 

おかゆに限らず糖質は分解に胃酸を必要としないので、

消化吸収に長けているのは事実です。病後の弱った胃腸に

適していると思われるのはこの道理だと思います。しかし

ながら、やはり血糖値の乱高下を招いてしまうので

それによる不調も不可避だったります。さらに糖質は

カロリーにしかならない、つまり身体の部品にはならない

ので病後に糖質を摂取するのは、車が故障しているのを

給油だけで修理しようとするようなものです。

 

身体の部品になるのはタンパク質だけなので、病後ほど

タンパク摂取を増やすべきなのですが、一方でタンパク質

の消化には胃酸が必須です。またうまくタンパク質が吸収

されてもカロリー不足下では折角摂ったタンパク質が

カロリーに使われてしまい部品にはなりにくくなります。

悩ましいですね。そもそも風邪のすぐ後に肉をガッツリ!

ってのも無理があります。(^ ^;)

 

そうすると、動力になるカロリーと部品になるタンパク質

を同時に摂取できて、かつ美味い物(笑)が望ましいわけ

ですが、正直そんな都合の良い食材はありません。サプリメント

の有用性はこういう場面で発揮されるのですが、食材で

勝負するならば、豆腐、卵、ココナッツバターが良いかと

思います。豆腐を砕いて卵とじにし、醤油や天然塩で

さっぱり味付けをする。そしてデザート(?)にココナッツ

バターを一口パクッと。自分だったらこうするかな。

ココナッツバターは実をすり潰して作るので少量の糖質が

含まれることを逆手にとるわけです。

 

残念ながらインフルエンザに罹患されてしまった方もこんな

レシピで早く良くなって下さいね。(^ ^)

2018年2月15日 木曜日

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