今朝の新聞でヒルドイド外用薬の美容目的使用が取り
上げられていましたね。保湿性が良いとのことで、
美容液代わりに処方を求める女性が増え、それを医師
も問題視しないため、93億円もの医療費の無駄に
繋がっているということです。
ヒルドイドが本当に保湿剤代わりになるかは湿潤療法
の夏井先生の記事が分かり易いですが、この問題は
この薬に限ったことではありません。要は薬の保険的
な適応または医学的な適応を無視してしまっている
点です。整形外科領域で言えば湿布薬や痛み止めの
塗り薬が同じ図式になりそうです。
人口減少による税収減少と福祉部分への支出増加で
財源が枯渇し保険医療は崩壊寸前です。そこへ来て
適応外の処方を保険で続けることはナンセンスですが、
一方で医療費削減の一環で薬価はどんどん下げられて
います。すると医療側は量を処方しないと経営に響く、
ということであまり適応を気にしないまま処方して
しまいます。まさに悪循環ですね。
選挙制度同様、日本の医療制度も制度疲労を起こして
いると言えるのではないでしょうか。選挙のこと以上
に我々の問題意識は薄いように思われます。湿布や
ヒルドイドが回り回って医療費の自己負担率を上昇
させることになるかも知れません。(^ ^;)
今後これらが制限されて、本当に必要な方が不利益
を被ることは避けねばなりませんが、そもそも薬に
依存しすぎたこれまでの医療の反作用のような気が
しています。