症例報告

« 7月 2024 4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

外傷専門漢方?

怪我をしたときの治療として、当院では湿潤療法を実践しているわけですが、

キズのない外傷、つまり打撲や捻挫への対処に、湿潤療法は適当ではありません。

こんな時に重宝するのが、治打撲一方(チダボクイッポウ)という漢方薬です。


打撲・捻挫・骨折のときに内出血や腫れを伴うことが多いのは、ご存じの通りです。

これらに対して、いわゆる痛み止めはあまり効果がありません。そして腫れが

引かなければ痛みもなかなか引かないのです。


この内出血や腫れは漢方では「血の滞り」と捉えますので、血流を改善させる薬が

選択されるのですが、この治打撲一方はさらに余分な血を体外に捨てる作用もあるので、

外傷に打ってつけなのです。

実際には、血流改善の代表選手である桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)と組み合わせて

使うことが多いのですが、単独でも効果はあります。


ilm09_ac050021

打撲や捻挫は、さもすれば動けてしまうので、十分に腫れが引かないまま動いて

しまい却って不快な後遺症を残すこともしばしば見られます。

受傷当初から、治打撲一方を使っていると、早く腫れが引く分、後遺症の発生も

減少します。

2009年11月20日 金曜日

カテゴリー 症例報告

タグ

頻尿増加中

若い人にはあまりなじみのない症状ですが、超高齢化の日本では

かなりの方が悩んでいる症状です。とくに最近冷えてきたので、

来院される患者さんも増加中です。

もちろん急性に発症した場合や、排尿時痛がある時は膀胱炎が

疑われるので、抗生物質が必要ですが、そうでない場合は漢方薬の

登場です。


一般に、緊張すると頻尿になる場合と、夜間頻尿とで処方が変わりますが

やはり多いのは夜間頻尿です。そして夜間頻尿は想像以上につらい症状です。

漢方薬のメジャーどころでは八味地黄丸、六味丸、牛車腎気丸といった補腎剤

(平たく言うと抗老化薬です)を使用しますが、そうそう一筋縄ではいかない所が

これまたニクい(?)のです。


やはり全身的に、乾燥傾向とか、イライラしてるとか、冷えが強いとかの所見を集めて、

処方を決めなければ効いてきません。最近では、真武湯、滋陰降火湯が効いた症例が

ありました。あるいは補腎剤の1日量を倍量投与!なんて力技が効いた例もありました。


これからまだまだ増える症状だと思います。

 「しっこで何回も起きてかなわんわ~」

 「歳やでしゃあないわ~」

なんて会話を耳にしたら、ニヤリと笑って

 「補腎剤がいいかもよ?!」

と言ってみて下さい。(笑)

2009年11月9日 月曜日

カテゴリー 症例報告

タグ

ワセリンの季節

当サイトでも度々紹介していますが、湿潤療法の応用として

ワセリンやプラスチベースが乾燥肌や肌荒れにとてもよいです。

この季節はどうしても乾燥するので、ヒビ割れ、かゆみ、等が

多発します。尿素配合クリームや“ナントカの水”(笑)を使っている方も

多いと思いますが、むしろ安価で副作用のないワセリンやプラスチベース

の方が効果があると思います。

とにかくワックスがけの要領で、入念に頻回に肌に塗りこんで下さい。ilm09_ah02001-s1

かなり違いが実感できるはずです。ベタベタして仕事に支障が…という方は

塗った後にふき取っても構いません。コーティングはできているので、塗る回数を

増やせば問題ないです。


どうしても市販の高価なクリームに手が伸びると思いますが、毎年お困りの方は

是非試してみてください。

この方法は手間はかかりますが、安価で副作用なく行えるので試す価値はある

と思いますよ!

2009年11月2日 月曜日

カテゴリー 症例報告

タグ

動物咬創

「飼い犬に手を咬まれる」なんて言い回しがありますが、実際動物に咬まれた傷は

注意が必要です。口の中には菌が大量にいます。そして咬創の場合、傷口は小さくてanl3044-s1

深いのが特徴なので、創の中に大量の菌を押し込んだ状態になるのです。

なので動物咬創の場合に一番重要なのは、いかに押し込められた菌を外に

排出するか、です。


大したことないと思って放っておくと、傷口はふさがってしまって菌を閉じ込め、

真っ赤に腫れあがる、なんてことになりかねません。

また、家庭でサランラップなどで創を密閉してしまっても、外に菌が排出されないので

高率に感染を起こしますので注意が必要です。

動物に咬まれたら(人間を含む:笑)、早めに受診していただくのがベストです。

2009年10月8日 木曜日

カテゴリー 症例報告

タグ

緊張するとお腹が痛い

特に腸に異常はないのに、ストレスや緊張で腹痛や便秘、下痢を起こす疾患を

過敏性腸症候群と言います。昔は学校に行きたくないとよく「お腹が痛いよ~」と

ウソをついてズル休みしたもんですが(笑)、実際こういった症状で悩まれている方は

多いです。トイレに行く不安からさらに緊張し、悪循環にはまり、外出もままならない、

なんて場合もあるほどです。

これは特別小児に多いというわけではなく、成人にもよく見られます。西洋医学的には

異常所見がないので、治療に難渋することがありますが、腸の機能と「気」の異常は

密接な関係があるので、漢方薬が効く場合が多いです。


頻用されるのは桂枝加芍薬湯というお薬です。「気」の流れを改善し、腸の緊張を取ります。

小児にはこの薬に水あめの成分を加えて甘くした小建中湯という薬を使ったりします。


また、このように腸の機能が悪い場合、花粉症やアトピーなどのアレルギー性疾患も

併せ持っているケースが結構あります。このことから腸の機能とアレルギーが関係していると

捉える事が出来ます。実際漢方では腸を元気にさせることが身体の根本的改善につながると

考えますから、桂枝加芍薬湯を継続することで、腸の症状のみならずアレルギー体質の改善を

も期待できるのです。


アレルギー疾患が増加している現代では、とても将来性のある薬かも知れません。

2009年10月2日 金曜日

カテゴリー 症例報告

タグ