症例報告

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コワイよ低温やけど

この時期必ず何例か遭遇する低温熱傷。

普通の熱傷より、深くなる、遅れて皮膚が壊死することがある、

というタチの悪さがあるので、治療が長引くことがあります。

原因はほとんどが、肌に直接カイロや湯たんぽをあてることです。

熱傷の深さは、カイロなどをあてていた時間に比例するようなので、

就寝時に使用するときは、肌に直接触れないよう工夫して下さい。



とはいえ、布団の中に湯たんぽを入れて眠るのは気持ちいいですよね。ilm02_dd16010-s1

冷えとは無縁の僕ですが、北海道にいた時は意外とお世話になりました。^ _ ^

レンジでチンして専用袋に入れるタイプのもの(確かユタポンという商品名

だった。ハイセンス。)が安全で、グッドです。

ドラッグストアやホームセンターに売ってます。


あ、もちろん低温熱傷だからといって特別な治療は不要なので、普通に

洗って湿潤療法、でOKです。




2010年2月9日 火曜日

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顎関節症

アゴが痛い、口を開けづらい、噛むと痛い、アゴが外れやすい、

…こんな症状を呈するのが顎関節症です。

夜間救急などで、アゴが外れて戻らない、なんて症状で遭遇したりも

します。戻すことはできますが、もちろんそれは根本治療ではありません。

顎関節症は決して、顎関節の病気ではなく、実は頚椎の異常に端を

発していることがほとんどです。

顎関節症で悩んでいる方は、大概、肩こりや頭痛、目の疲れ、めまいなども

持っているもので、やはり頚椎の異常が絡んでいると考えて良いと思います。


以前はAKA-博田法も顎関節を直接動かして治療していましたが、今は

頚椎の治療で症状が緩和します。顎関節症が頚椎原性であることの証拠

でしょう。


また、漢方では意外と葛根湯が効果があります。もともと葛根湯は風邪薬というよりは

頚痛の薬で、頭頚部全般の炎症によく使用します。

実は風邪薬とだけ捉えるにはモッタイナイお薬なのです。


遠絡療法でも頚椎は非常に重要視します。頚椎の炎症が脳の症状を引き起こし、ilm18_be05028-s1

さらに脊髄にまで波及しうると考えるからです。


いやあ、頚って大事なんですよ。過度のPC作業や寝転んでのテレビ、なんて

頚をいじめてることになるので是非やめましょう!

…ということで更新作業も終了終了。 ^皿^

2010年1月19日 火曜日

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腰のバンド

腰痛の時によく腰のバンドやコルセットを処方されることがありますが、

これの使用方法も随分と間違いが多いようです。


腰のバンドはあくまで「筋肉の代わりに支えてくれるもの」

であり、それにより体動時の痛みなどを緩和します。決して

根本治療になるものではありませんし、ましてや腰痛予防効果は

ありません。痛みがなくなっても装着し続ければ、逆に腰まわりの

関節の動きを抑制して、腰痛の原因になったりもします。

ですから、「腰のバンド使用は急性期のみ」と考えた方がよいと

思います。

ただし、腰椎の圧迫骨折などで使用されるコルセットは骨折に対する

固定ですから、この場合には長期の装着が必要になります。ilm06_aa07002-s1


まあでも、これも根強い都市伝説(笑)がありますので、理解してもらえない

ことも多いのです。そんな時は、

「腹巻代わりにゆるめに付けといて。冷えるとイカンしね。」

と妥協点に着地しています。 ^^;

2010年1月17日 日曜日

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膝の水

いまだに患者さんに強く信じられている都市伝説(?)の一つが

「膝にたまった水を抜いたらクセになる」

です。全くのウソ、というわけではないですが、これを

理由に関節穿刺を拒否されるケースがしばしばあるので困ります。


そもそも関節の水は、抜くことが大事なのではなく

「溜まっている水の性状を見ることが重要」

なのです。簡単な分類を以下に列記しますと、

 1. 透明な黄色い水

 2. 透明な黄色い水だけど白いカスが浮いている

 3. 白や緑がかった濁った水

 4. 血液

ほとんどの場合は1. で、これは純粋に炎症がある証拠です。

2. も炎症ですが、カスがある場合はこれが原因で炎症を起こしますので、

この場合は何度も水がたまる可能性があります。

「クセになる伝説」が生まれた原因は、このケースでしょう。(笑)

3. は何らかの感染状態にある場合です。偽痛風でも見られます。

4. は靭帯損傷や骨折を考えねばなりません。外傷がほとんどです。


というように、水の性状でおおまかに診断していきます。診断によって

治療方針も変わりうるので、もし周囲に都市伝説を信じている方がいたら

教えてあげて下さい。


…と言っても、意外に医者の言うことの信頼度は低いもんです。

都市伝説以外にも、「知り合いが言ってた」とか「テレビでやってた」情報の

方がはるかに根強いようなのです。

ので、上記情報は「三国連太郎さんと八千草薫さんが言ってた」としておいた方が

いいかも知れません。(笑)

2009年12月27日 日曜日

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カカトが痛い

60代の男性で、10月中旬から右のカカトが痛いという患者さんです。

1日中痛い、体重をかけると痛い、ということでレントゲンを撮りましたら

カカトの骨にトゲがあります。これは骨棘(こつきょく)といって、負担のかかった

証です。一般にはこれに伴う足底からカカトの痛みを足底腱膜炎といって

痛み止めや局所注射をして様子を見ます。


この方にはまず漢方薬を飲んで頂きました。桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)と

麻杏薏甘湯(マキョウヨクカントウ)の組み合わせで朝の痛みは軽減しましたが、

仕事が終わる夕方から夜にかけては痛みが引きません。


そこで遠絡療法の登場です。「カカトのトゲ」に着目するのではなく、あくまでも

もっと中枢の障害と考え、脊髄の治療をしましたところ、1回の治療で痛みの

程度は半分以下になりました。現在も治療継続中で、まだ完全に改善した

わけではないですが、痛みの頻度はかなり減ってきています。


やはり「形の異常」に目を奪われてはいけない、という良い例です。

2009年11月28日 土曜日

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