院長室

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脂質の割合

血液ドロドロ対策として脂質量ではなくタンパク質量に気を

付けてね、とお伝えしました。それは脱水を招かないためですが、

脂質が全く無関係だということでもないのです。

 

脂質は量では無く、その割合が重要になります。脂質は細胞膜

の材料になるので我々は実は全身あぶらまみれ(笑)と言っても

過言ではないのですが、そのあぶらの構成成分の割合によって

体調に変化を来します。

 

特に重要になるのが、自身では合成できないため食事から摂取

するしかない必須脂肪酸です。必須脂肪酸はオメガ3系と

オメガ6系に分けられますが、オメガ6系は血小板凝集作用

のある物質を出すので、こちらが多くなればなるほど血栓が

できやすくなる、つまりドロドロ傾向になります。逆に

オメガ3系は血小板が集まるのを抑える物質を出します。

 

間違っちゃいけないのが、あくまで割合の問題なのでオメガ6

がNGというわけではないということです。ただオメガ6が

増えるとオメガ3が相対的不足になるだけでなく積極的に

オメガ3からの血小板凝集抑制物質を出なくしてしまうのです。

ですからできれば体内の割合は1:1にしたいわけです。

 

で、オメガ6系脂肪酸を多く含むのがサラダ油です。肉や卵にも

含まれます。これらが過剰であれば体内のバランスもオメガ6

過多になり血液ドロドロ傾向になり得ます。対してオメガ3を

多く含むのが亜麻仁油、えごま油ですが、それだけでは不十分です。

というのはオメガ3はグループ名であって実際にはいくつもの

脂肪酸を含みます。血小板に働きかける物質を出すのはその中

でもEPAとDHAです。亜麻仁油やえごま油は、EPAやDHAになる

αリノレン酸を多く含む、というだけでEPAやDHAを含んでいる

わけではありません。

 

ならば最初からEPAやDHAを摂取できる魚油の方が効率よいね、

となるわけです。できれば体内の脂肪酸バランスを調べる検査を

受けて自身の状態を把握するべきですが、まあそこそこ高いっす。

受けてみたい方はご相談ください。まあでもアレルギーの場合を

除いて、青魚の食べすぎで不調になることはまずないので意識して

増やすと良いと思います。

2020年2月13日 木曜日

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