院長室

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「低」脂血症

血糖値が乱高下し様々な不調を来す病態=低血糖症は以前に比べ認知

されてきた印象があります。高血糖ばかりが槍玉に挙げられていると

見逃されるので、とても意義深いことです。

 

一方で、脂質代謝に関してはまだまだ旧態依然とした認識であると

言わざるを得ない現状です。つまりコレステロールや中性脂肪の高値

ばかりが注目され、低いことはノーケア、むしろ良いことだと捉えられて

います。高脂血症という言葉はあっても低脂血症なんて言葉はないです

よね。(^ ^;)

 

コレステロールに関しては何度か紹介していますが、副腎ホルモンや

性ホルモン、ビタミンDの原料になり、かつ細胞膜の形態安定に必須

なので低値は結構な不調を招きます。また食材中のコレステロールとは

ほぼ無関係なので、肉や卵を食べ過ぎて上昇することはないですし、

逆にせっせと食べても低値が改善するわけでもありません。

 

日本で採用している検査基準値が異常に厳しすぎるというのも過剰に

高脂血症の患者さんを産む原因になっていると言えます。少なくとも

更年期周辺の女性は生理的変化として上昇するので、それを無視した

診断は危険だと思います。

 

中性脂肪に関しては糖質過剰と密接に関係するので、高値の時には

しっかり対処しなければいけませんが、低値を無視していいわけでは

ありません。脂質の測定はそれを運搬する結合タンパクを測定する

ことで脂質量としているので、あまりに低値の場合はタンパク不足が

ある、と読む必要があるのです。

 

いずれにしても、あまりに低値が無視されている現状は知っておくべき

でしょう。脂質に限りませんが、参考基準値の下限が設定されていない

(0〜となっている)場合、その会社は低値を無視しているということ

です。それでA判定であっても、栄養療法的には問題視しなければ

いけない場合が結構あります。健康診断でA判定でも不調がある場合は

是非ご相談下さい。

    2019年10月31日 木曜日

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