院長室

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酸欠の悪夢

慢性炎症と同じくらい不調の原因となりかつ見逃されているのが

酸欠です。酸欠=酸素欠乏は病気ではなく病態なので身近な病名は

ありませんが、とても厄介です。

 

なぜなら我々は酸素がないと死んでしまう動物だから。当たり前の

ように呼吸をしていますが、それだけ酸素が必要ということだし、

例えば1分でも息を止めるのはしんどいですよね。この酸素供給が

何らかの理由で不足状態になるのが酸欠です。

 

何故そんなに酸素が必要なのかと言うと、エネルギー産生に必須だから

です。つまりあらゆる生命活動に酸素が欠かせないわけです。全身の

細胞が酸素を必要としていますが、中でも消費量が多いのが脳です。

なので酸欠症状はまず脳機能の異常から出ます。例えば集中力の低下、

睡眠の不調、気分の落ち込み、認知機能低下、、などと多彩です。

タイトルは大袈裟のように思われるかも知れませんが、酸欠のせいで

本当に悪夢を見たりします。

 

一般に酸欠と診断されるのは貧血の時です。しかし貧血はヘモグロビン値

だけで判断されることが多いので、貧血以外の酸欠やヘモグロビンに

異常の無い酸欠は見逃されることになります。そして診断がつかず

上記のような症状を訴えると抗うつ剤や睡眠薬が処方される現状が

あります。

 

栄養療法的に酸欠の原因として多いのが鉄代謝障害と血糖値乱高下です。

実は前回紹介した慢性炎症は鉄代謝障害を招くので、酸欠の原因に

なり得ます。血糖値乱高下は血管収縮と溶血を招くので酸欠になり

ます。全てがここに集約する、というわけではないですが見逃されて

いる率は高いと思います。決して特殊な病態ではないので血液検査で

明らかにできます。症状が難治化している時は酸欠を疑うべきと思い

ます。

    2019年9月5日 木曜日

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