院長室

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原因不明は難治?

しばしば「原因不明のめまい」とか「腰痛の8割は原因不明」とか

原因不明という単語はものすごくネガティブなイメージがあります

よね。でも見方を変えると、原因さえ分かれば治るかも、と解釈

することもできます。

 

そう考えると、原因不明が即ち難治性とは捉えられなくなりますね。

難治性というのは、原因が分かっていても対抗する手段が無かったり

良くなってもすぐに戻ってしまったり、と治療に抵抗性があること

ですから原因不明とは別問題です。何となく混同しがちですが。

 

例えば甘いものを食べるとアレルギー症状が悪化して体重も減らない、

なんていう場合は原因は明らかだけど難治性ですよね。(^ ^;)

逆にレントゲンで異常はないけど頚が痛い、という場合にしっかり

検査したらひどい鉄欠乏が原因だった、なんてことはよくあります。

 

原因不明と言われた人に「それは希望が持てますね!」なんてことは

倫理的に言えませんが、それは難治性と言われたわけではないよ、

とは伝えてあげたいです。また難治性と言われた人でも、難治性に

なっている原因は何なのか、それが明らかになれば脱することが

できるかも、とも伝えたいです。

 

治療法はすべからく手段である、としばしばここにも書いていますが

原因がよく分からないうちに、あるいは原因を探ることをしないで

治療法ばかりが一人歩きするのは却って難治化を産んでいるよう

にも思えます。

2019年3月25日 月曜日

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