症例報告

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「形の異常」と「動きの異常」

・今日はAKA-博田法の特徴について。AKA-博田法の考え方の根本は、症状の原因を「動きの異常」に求めることです。整形外科で一般的に行われるレントゲン検査、CTやMRIは大雑把に言えば全て「形の異常」を探す検査です。骨の変形や、神経の圧迫を見つけ出してそれを治療する、という方式です。
しかし、それら「形の異常」が何もないのに痛みがある、という場合が意外と多いので困ってしまうわけです。こういう場合、これまでの診断・治療学は非常に弱い。「とりあえず異常はないので痛み止めを」なんてことになって延々と痛み止めを飲んでいる方も少なくないのです。
・そこで登場するのが「動きの異常」という考え方です。関節は「遊び」と言って(AKA-博田法的には副運動と言います。)自分では動かせない方向にも少しの動きがあるのが普通です。これが障害されると痛みなどの症状が出る、というのが「動きの異常」による痛みです。この異常は腰の関節に出やすく、また腰の関節に異常があると他の関節にも異常が連鎖するので、「腰の関節が原因で膝が痛い」なんてこともあるのです。AKA-博田法はこの関節の「遊び」を復活させる手技と言えます。
・手技自体は痛くないので、患者さんの中には「物足りない」と感じる方もみえるようですが、「遊び」はもともと数mmのものですし、力を入れて押すと逆に関節が緊張して動かなくなってしまうので、「力を抜いて押す」というテクニックが必要になります。これが一番難しいんですけど。(笑)
・効く効かないは別にして、痛みを「動きの異常」から捉えるという考え方が斬新です。「形の異常」があっても原因は「動きの異常」だったりもするので、AKA-博田法の適応範囲は結構広いと思います。

2009年3月4日 水曜日

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