院長室

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溶血

「ようけつ」と読みます。聞き慣れない言葉だと思いますが、

我々、特に栄養療法を実践する医師にとっては極めて重要な

単語です。

 

医療用語なので聞き慣れないのは当然なんですが、これは血液

の中の赤血球の変化の一つです。赤血球は酸素を身体中に運ぶ

トラックのような役目があって、酸素がないと生きていけない

我々にとっては超重要なものです。

 

その赤血球は約120日で入れ替わるのですが、何らかの理由で

その入れ替わりが早まってしまう、つまり赤血球が壊れやすく

なっている状態を溶血と言うのです。

 

溶血があると、赤血球機能が低下しますから身体中が酸素不足に

なりやすくなります。全ての細胞は酸素が必要ですから、溶血が

ある場合、あらゆる病態が治りにくいことになりますね。痛みも

疲れも、不眠も、うつも、難治と言われている病態の裏側には

溶血があるかも知れないのです。

 

じゃあどうやって溶血を知るのか。これは血液検査から知る

ことができるのですが、意外と難しい。溶血があるということは

赤血球が壊れやすいわけで、つまり血液中に赤血球の内容物が

多く出ている事になり、これが色々な検査値を上昇させてしまう

ので正しく判読しづらくなるのです。

 

栄養療法では血液検査を重要視するので、その判断を狂わし

かねない溶血の有無は常に頭に置きながらデータを見ています。

人間ドックや健診レベルでは分からない場合が多いので、もし

それらが「A判定」であっても不調があるのであれば、一度

相談して頂きたいと思います。

2018年12月6日 木曜日

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