院長室

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大は小を兼ねない

毎月の健康教室は一般の方向けなので薬剤の話は極力しませんが、

漢方についてはしばしば医療関係者向けに講演をしたりしています。

 

そこで強調するのは漢方薬の特性です。漢方薬の定義は「複数の

生薬で構成される」ことなので(例外はあります)、漢方薬の

特性を理解するにはここが出発点になります。

 

生薬はその名の通り「薬」なので、複数の生薬で構成されると

いうことは漢方薬1剤内服するだけで既にいくつもの薬を飲んで

いることです。西洋薬を処方するかの如く多剤併用するともの凄い

種類の薬を飲むことにもなり、却って副作用の危険があります。

 

そして漢方薬には同じような薬が存在します。例えば、有名な

八味地黄丸は六味丸に2つ生薬を足したものですし、その

八味地黄丸にさらに2つ生薬を足すと牛車腎気丸になります。

出世魚みたいですね。(笑)

 

こういう同系統の処方が種々あるのですが、ならば最初から一番

多く生薬を含むものを出せばいいんじゃね?ともなります。

確かに多種類の生薬を含めば効き所は増えますが、その生薬を

足す意味が必ずあるので、それを考慮しないで処方するのもまた

却って危険なんですね。つまり、生薬数の少ない処方にもちゃんと

意味ある、大は小を兼ねない、ということです。

 

また逆に「生薬を足すと全く違う薬になる」という説明も散見

されますが、もちろん元の生薬の効能が無くなるわけではないので

これは言い過ぎでしょう。さらに「体質改善」の生薬はないので

漢方薬を継続して体を元から作り直そう!ってのも言い過ぎですね。

 

まあこういう理屈っぽい話ばかりだと講演ではウケないんです

けどね。(^ ^;)

 

    2018年11月8日 木曜日

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