院長室

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適正血圧

糖尿病や高脂血症と並ぶ生活習慣病の3巨頭(?)の

ひとつ、が高血圧症です。健康情報誌などでも、盛んに

「血圧が○○を超えたら△△」みたいに危機感を煽ります。

それってホント?

 

血圧が高いと頭痛やめまいが起こり得ますが、それ即ち

脳出血や心筋梗塞のリスク、というわけではありません。

恐ろしい病気を挙げておけばみんなビビるやろ的なニオイ

がするので、こういうちょっと飛躍した論には注意が

必要です。

 

そもそも血圧は身体中に酸素などを行き渡らせるために

血液を押し出す力です。例えば短距離走をして急激に酸欠

になるような場合は誰だって血圧は上がります。また

血管は自律神経に支配されますから、緊張して交感神経

興奮状態になればこれもまた血圧が上昇します。

 

つまり血圧は必要に応じて変化するものであり、それが

病的なのかどうかをまず考えなくてはいけません。治療に

際して、まず数値ありき、なことが多く病的かどうかの

判断をせずに降圧剤を処方して、却ってその方にとって

必要な血圧を維持できず不調にさせている場面も見られ

ます。

 

ウチでも血圧の薬は処方しますが、本当に必要かどうか、

を定期的に判断することを怠ってはいけないと思います。

気温が上昇すれば生理的に血圧は下がるものですから、

この季節は減薬できる場合が多いはずです。高血圧症に

限りませんが、生活習慣病は生活習慣で治すものです。

2018年6月11日 月曜日

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