院長室

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五十肩の概要

整形外科的な記事をほとんど書いていないことを少し

反省して(^ ^;)、今回は意外と知られていない五十肩

について。

 

まず五十代の方限定の疾患ではありません。(笑)また

正式名称でもありません。保険病名では肩関節周囲炎と

言いますが、これも肩周囲に炎症がある、と言っている

だけなので何の価値もありません。重要な症状は肩の

可動域が落ちること、夜間痛があることでしょうか。

 

ほとんどの場合レントゲンでは異常が無いので、原因は

いまいち分からないまま注射を打ったり、リハビリをしたり、

ひどいと経過観察のみ、なんて場合もあるようです。

最近は超音波診断が発達したので、レントゲンは撮らず

エコーで動きや石灰の有無を確認し、そのまま筋膜間に

注射を打つ、という治療が主流になりつつあります。

ウチでもほとんどはこの方法ですが、盲目的に打つより

もはるかに効果があります。時には痛みを感じる部位

とは違う部分への注射が功を奏することがあります。

 

では注射は打ち続けるのでしょうか?生理食塩水のみの

注射で改善が見られる場合は、副作用がないので継続に

問題はありませんが、間隔が空けられないのであれば

根本治療にはなっていないということ。別のアプローチ

も必要になります。石灰がある場合はミネラルバランス

が悪い証拠なので、特にカルシウムは控えてマグネシウム

を多く摂ることが重要ですし、癒着が激しい場合は脱水が

考えられるのでタンパク摂取の優先度があがるでしょう。

 

リハビリや運動療法も幾多の方法がありますが、少なく

とも無理に動かす、痛みを我慢してやる、というのは避けた

方がいいです。そもそも肩の動きに問題がない場合は、

肩関節そのものは悪くないことが多いので、自己判断で何か

始める前に一度は診察を受けるべきです。

 

「70過ぎて五十肩なんて俺も若いねー」というナイスな

お年寄りもみえますが(笑)、肩が動きづらいと日常生活

動作に結構な影響が出ますし、他部位への影響も懸念され

ますからなるべく早めに治療を始めましょう。

2018年3月12日 月曜日

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