夏休み時期は上映ラインナップ的にも映画館の混雑具合的にも鑑賞
活動が低下するのですが、「ベイビー・ドライバー」は今年観た中
でも1、2を争う傑作でした。
強盗の「逃がし屋」を稼業とする若い主人公の物語なんですが、
その超人的な能力が音楽を聴いている時だけ発揮される、という
面白い設定のため、この映画はアクション映画でありながら
さながらミュージカルのように軽快でもあります。でもしっかり
カーアクションは骨太だし、クライムムービーとしての緊張感も
かなりのもの。1本にどんだけ詰め込むのよ、的なお得な作品
です。
僕はほぼ洋楽を聴かないので、この映画を100%楽しめていない
だろうことがとても悔しいですが、それでも演出も脚本も巧妙
なのでとても満足しました。主人公はアンセル・エルゴートさん、
ヒロインにリリー・ジェームズさんと、あどけなさの抜けきらない
若手を起用しつつ、強盗犯にケビン・スペイシーさん、ジェイミー・
フォックスさんという技巧派名優を起用するというのも上手い。
アクションと洋楽好きはとにかく観て損ナシ!惜しむらくは上映館
が少なすぎるところか。
そして我らがトム・クルーズ兄貴の「ザ・マミー」ね。これは
実は「ダーク・ユニバース」というシリーズもののの第1弾でして、
製作サイドは結構力入ってます。この「ダーク・ユニバース」は
「アベンジャーズ」や「ジャスティス・リーグ」みたいなヒーロー
ごっちゃまぜ企画のモンスター版。今作にはゾンビとジキル博士が
出てきましたが、今後も透明人間やらフランケンやら、半魚人やら
が出るそうな。
で、この試みは第1作目にして既に失敗模様で、トム様にこんな
役やらせんなよ!と思わせてしまうような薄味、御都合主義的な
演出。そもそもモンスター競演映画にニーズがあるのかという、
マーケティングから見直さないといけないと思う。日本にはもう
「怪物くん」という金字塔があるわけだし。あ、大野君主演の
ヤツじゃないよ。(笑)
まあトム様ファンは観てもいいけど、逆にトム様ファン以外には
あまり勧めるポイントはないかな。内容もほぼ「ハムナプトラ」
やしね。「ダーク・ユニバース」が「黒歴史」にならんことを
祈る。