例えば糖尿病予備軍とか、認知症予備軍とか、まだ発症してはいない
けど将来的にそうなる可能性がある場合をこう呼んだりしますね。
では、何をもってそう判断しているのでしょうか?
健康診断などの結果を見て、あるいは雑誌等の質問票などから、
というのが多いかな?誰だって予備軍と言われれば注意をするよう
になるだろうから、指摘すること自体は良いことだと思います。
問題は、そう判断した場合にどう指導するのか、そもそもその判断は
正しいのか、そしてその判断は統一されているのか、です。
「予備軍」と言っておきながら大した指導がなかったり、実は
「予備軍」ではなかったり、施設によって言われることが違ったり
すれば信頼を失いますし、言う意義はなくなってしまいます。
「予備軍」の先には「予防」がなくてはいけないし、その「予防」
の方法でいらぬ副作用が出ては意味が無いし、ましてや効果がない
金儲け手段になってはいけません。
現状、日本では糖尿病も認知症も、ガンもアレルギー疾患も減って
いません。ということは「予備軍」とは指摘していてもそれが結果
に結びついているとは到底言えないわけです。健康診断でHbA1cが
6.0に上昇したから糖尿病予備軍です、気をつけてね、じゃ何も
変えられていないのです。それはHbA1cは糖摂取量の総量を評価
しているだけで血糖値の乱高下を評価できないという事実や、
糖質制限の方法は人それぞれ違うということを加味できていない
からです。
ネット情報だけを信じるのは危険だとは思いますが、にしても「予防」
に医療界が真剣に取り組んでいないことの方が問題ですね。医学的
根拠が変わることは多々ありますが、予防のために何が最適かという
軸を持たねば、医療の質は低下する一方でしょう。とりあえず今は、
まず医療を受ける側が賢く情報を取捨選択しなければいけませんね。