日本人が薬の使用量世界トップクラスであることは以前も紹介
しましたが、中でも多いのが高血圧症に対する降圧剤です。
最近では40代の人も結構服用しているようです。
降圧剤を飲むということは、当然そのきっかけがあるわけですが、
往々にしてそれは「血圧」です。テレビCMでも「○○を超えたら
△△茶!」みたいなこと言ってますが(笑)、血圧は様々な要因
の結果の数字であることを忘れてはいけません。基準値はあくまで
基準なので厳守するようなものではないです。なぜ、その数値
なのか、そして最も重要なのが、それで不調なのか?という
ことです。
例えば高齢になれば誰しも脳機能は低下します。脳は酸素を大量に
消費する臓器ですから、機能が低下すれば酸素需要は増します。
つまり心臓から脳へたくさん血液を送る必要がありますから、必ず
血圧は上昇します。なので、高齢になって血圧が上がらないこと
の方が警戒すべきで、若い頃の血圧を遵守するように内服を続ける
ことは却って危険です。血圧が170/90でメッチャ調子
良ければそれがその人に必要な血圧だ、と考えるわけです。
そしてこの暑い時期、血管は広がりますから基本的に血圧は低下
します。つまり冬に比べて下がるのが普通なんですね。それを
見越して内服量を考えないと、下げすぎてしまってそれが脳梗塞の
原因になることもあります。ですから、毎日決まった時間に血圧を
測定することは極めて重要です。病院や施設での数値は本来の
値ではないこともあるので、家庭でリラックスしている時に測る
のが基本です。
もしもこの時期に冬と大して変わらなければ、安心して良いのでは
なく何か上昇させる要因があるのではないか、と考えなければ
いけません。例えば睡眠不足とかね。そしてついでに気にして欲しい
のが脈拍です。血圧は安定しているけど脈拍だけ増えている、のは
要注意。たくさん心臓を拍動させて血圧を維持しているわけですか、
それは脱水のサインです。血圧とセットで脈拍を見る習慣をつけ
ましょう。数値そのものも大事ではありますが、なぜそうなのか、
を見ないと重要なサインを見落とすことにもなるのです。