院長室

« 7月 2024 4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

治療は一つずつ

漢方薬治療や栄養療法をやっていると、標準治療では効果が

出なかった方や、副作用で続けられないと言ったいわゆる

難治状態に陥っている方がしばしばみえます。僕は標準治療を

否定はしていませんが、効果が出ない時に違う視点で切り込む

こと、多くの選択肢を持つこと、が大事だと思っています。

なので、難治状態の方にあまり馴染みのない治療法を提案する

ことが自然と増えます。

 

漢方薬治療や栄養療法はそれぞれ論理的なので、標準治療でなく

ても医師も患者も納得しやすいことが利点です。何かよく分か

らんけどこれ飲んでみて、的なノリで方針を決めません。(笑)

逆に言うと、その論理が症状改善に寄与したかどうかがとても

大事な部分になるわけで、再診以降の診察ではその確認作業が

主と言っても過言ではありません。

 

難治状態になっていると、当然病歴も長くなるわけで苦痛の時間が

長い分、早く解放されたいという思いも強くなります。すると、

良いと言われるものは全部試したいという心理にもなり得ます。

ここは診察していてとても強く肌で感じるのですが、新しい治療

を2つ以上同時に始めることはお勧めしていません。なぜなら、

論理の確認作業が困難になるから。

 

ルービックキューブ(古い ^^;)も達人が恐ろしい速さで完成

させると感動しますが、自分では再現できません。でも実際は

ちゃんと完成させる手順がありますから、その手順を踏めば誰でも

完成できるはずです。治療もあっと言わせるような感動もアリ

ですが、手順が分かる方が応用もできるし患者さん本人でできる

ことが見つかるかも知れません。…うん、なんか例えがヘタな

気がしてきた。まあよしとしよう。

 

一つの治療法で何が変わって何が変わらないのか、ここを教えて

もらいながらより良い方法を練り上げていく、というのが僕の

理想とする治療です。患者さん本人は大変つらいと思いますが、

できれば確認作業を一緒に楽しみながらやっていただけると

嬉しいです。

2017年3月6日 月曜日

カテゴリー 院長室

タグ