院長室

« 8月 2017 9月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

「何者/永い言い訳」

今年の邦画はどうなってんだ、という傑作・力作が多い

ゆえの嬉しい悲鳴が関係者の間では広まっている模様、

というニュースがあるかは定かではありませんが、まさに

この2作は本年を象徴する作品だと思います。まだ今年

終わってないけど。

 

「何者」は就職活動を題材に、現実に直面し苦悩する

若者の心理を描いた作品。こう書くと、よくある話っぽい

のですが、本作はひと味もふた味も違います。確かに

途中までは仲間内での恋愛や嫉妬などを交えながら、

社会に出るという大人と子供の境界線にスポットを当てて

います。しかーし!問題はそこからね。もちろん内容は

言えません。(笑)ただ、甘酸っぱい青春もの?おじさん

そんなんキョーミないよ、と切り捨ててしまうのは大変

もったいない作品です。

 

僕は就職活動もしていないしツイッターもやらないので、

そこまで感情移入はできませんでしたが、逆にこれらを

体験している世代にはむしろホラー映画かも知れません。

主演の佐藤健さん、菅田将暉さん、有村架純さん、二階堂

ふみさん、皆さん大学生で全く違和感ないのが凄い。

さすがに山田孝之さんは無理があったが。僕の中では

彼はコメディアンなので、なんか笑えてしまう。スンマセン。

 

そして「永い言い訳」ですよ。僕と同い年の西川美和という

女性の監督さんの作品ですが、まあ、天才ですね。まずは

彼女の作品は全て脚本も彼女が手がけている点。最近は

ほとんど原作ありきの映画ばかりですが、彼女は制作の姿勢

から違うわけですよ。そしてどの作品も超ハイクオリティ。

 

特になぜか男性の深層心理を描くのに長けていて、観ている

方はずっと緊張しっぱなしです。なのでめっちゃ疲れるの

ですよ。(笑)今作は長年連れ添った妻をバスの事故で亡く

した男の話。妻に対する愛情はなく、周囲の憐憫の感情に

当惑する中、真逆の遺族男性と知り合って…というお話。

正直、これまでの西川作品の中では一番 “親切” な作りで、

やや説明セリフが多い気もしますが、それでもやはり凄い。

 

主演は本木雅弘さん。とても良い。それ以上なし。ありがとう。

そしてもう一人の主演とも言うべき主人公とは対照的な男を

竹原ピストルさん。いや、出たな、ピストル。松本人志監督

の「さや侍」で鮮烈なデビュー(?)をしたヴォーカリスト

です。今回も強烈です。ぜひ「俺のアディダス」という曲を

聴いてみてください。

 

もし観る映画に困っていたら、久しぶりに映画でも観るかなと

考えていたら、大作洋画に疲れていたら、日本人なら(ええっ)

この2作は期待を裏切りませんぜ。

    2016年10月27日 木曜日

    カテゴリー 院長室

    タグ