院長室

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「ハドソン川の奇跡/グッドモーニングショー」

相性が悪いなどとエラソーなことを言っておきながら結局

毎回観ているクリント・イーストウッド監督の最新作

「ハドソン川の奇跡」。2009年に実際に起きた飛行機

の不時着事故を描いています。主演の機長さんをトム・ハンクス

さんが、副機長をアーロン・エッカートさんが演じています。

 

前作の「アメリカン・スナイパー」でもそうでしたが、英雄視

されている人物を英雄として描かず、苦悩や焦りといった

人間っぽい側面を描いているのが特徴です。つまりあまり

真新しさはなく、イーストウッド監督にしては前作よりさらに

親しみやすい作品になっているので若干の肩すかし感は

あります。

 

ただその巨匠査定(?)を差し引けば十分に面白く、100分

程度に納めた潔さもかなり好感が持てます。異常に引き延ばして

最後に思い切り感動させよう感のある作りは辟易しますからねぇ。

史実でしかも結果が分かっているお話をこんなにスリリングに

描けるのには驚嘆しますし、それを成し得たのはトム・ハンクス

さんの演技の賜物です。原題は「Sully」で機長の愛称。要はこの

映画は事故そのものよりも英雄扱いされた機長さんの心の動きを

追うことが本質なんですね。でもそれでは日本人には何のことだか

分からないのでベタな邦題になったようですが、これはトムさんの

演技を台無しにしてしまいかねない愚行ですな。

 

そして「踊る大捜査線」の脚本家、君塚良一さんの監督作、

「グッドモーニングショー」。「踊る〜」は劇場作第1弾が

記録的ヒットを飛ばし、第3作が史上稀に見るガッカリ作になった

ことでも有名(?)です。ドラマが抜群に面白かっただけに、

やはりテレビマンに映画は無理なんよ、なんて言われたもんです。

 

ならば!と思ったかどうかは知りませんが(笑)、テレビの、

それも朝のワイドショーの現場を題材にしたのが本作です。

もうこれは水を得た魚で、あちこちにちりばめられるトリビア

に「ひるおび!」好きの僕も唸りました。「へぇ〜」ボタンが

あったら連打してますね。

 

で、このリアリティさのおかげでちょっと現実離れした展開も

なんか意外とすんなり受け入れられたりします。主演の中井貴一

さんは相変わらず芸達者だし、犯人役の濱田岳さんもやはり上手い。

その他、吉田羊さん、時任三郎さん、志田未来さんなど皆さん

お上手でした。ドラマ臭は抜けませんが、上記のことがあるので、

狙った演出とも取れます。

 

2作とも飛び抜けた傑作とまでは言えませんが、安定した面白さ。

これもまた娯楽としては大事な要素でしょう。なんせ月末には

恐らくまたメンタルを削るであろう西川美和作品が待ってます

からな。体調を整えねば。(笑)

    2016年10月13日 木曜日

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