院長室

« 7月 2024 4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

薬イジメ

“文春砲”に対抗するためなのか、ある週刊誌で執拗に薬の

害について取り上げられていますね。「○○は危険!」とか

「医師は決して飲まない!」とか、なるほどこう書くと

注目を集めるのか、という参考にはなりますが(^ ^;)、

僕も処方する側ではありますので、看過はできません。

 

まあ僕も「薬は最小限に」がモットーなので、こういった

記事が過剰な処方に歯止めをきかせる効果が期待できる面は

評価したいところです。しかしながら一部記事では、

飲んではいけない薬一覧に「漢方薬全部」となっていて

びっくらこきました。(古い)

 

薬は人体にとって異物である以上、当然何かしらの副作用は

想定されます。そもそも人体に備わっている物質は薬として

認可されないので、例えば女性ホルモン剤などは敢えて

一部組成を変更して薬を作製したりします。なので、薬の

添付文書には危険性や副作用の可能性が必ず明記されている

わけです。

 

危険性や副作用にも幅があって、高頻度に発現するものや、

一度出ると重篤になるものは当然慎重投与をするべき薬、

ということになります。逆に想定はされるけれど、ほとんど

見られないものや、内服中止ですぐ消えるものもあります。

 

週刊誌の内容はそれを一括りに「危険」としているところに

問題がありそうです。信憑性を出すために医師のコメントも

併記されていますが、「副作用の可能性」を言っているだけで

それを「飲んではいけない」とするのは飛躍があります。

そこまで言うのならば、薬を使わない代わりの治療方法を

提案して欲しいものですが、まあそれは期待しても無理かな。

 

薬大好き日本人にはそれこそ良いクスリになるとは思いますし、

記事が医療費抑制に繋がれば賞賛の対象にもなりますが、

記事が本当に患者さんや医療業界に向けたメッセージなのかは

疑問です。販売部数が伸びればそれでよし、だとすると一過性

の流行で終わってしまうでしょうね。もしくはそうならない

ようにさらにエスカレートするか。そういや手術もヤリ玉に

挙げられてるから、次は何が来るかな?

 

2016年8月22日 月曜日

カテゴリー 院長室

タグ