院長室

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大は小を兼ねない

久々に漢方薬の話題。漢方薬の名称は当然ながら漢字ばかり

で、患者さんも我々もその気にならなければなかなか覚え

られません。でも、テキトーに命名されるわけもなく、必ず

名称には意味があります。

 

保険で使用できる漢方薬は現在140種あまりありますが、

それぞれが開発、成立した年代がバラバラなので残念ながら

命名法に一定の法則はありません。でも、その時代に採用

されていた漢方理論や開発過程を知ると意外と面白い事実が

あったりします。

 

面白い(?)のが「大と小」。花粉症の時期によく使用される

小青竜湯という漢方薬がありますが、対して大青竜湯という

名の薬もあります。また、小柴胡湯という漢方薬に対しても

大柴胡湯があり、小建中湯に対して大建中湯があります。現代

の感覚からすると「大」の方がよく効きそうなイメージを持ち

そうですが、これが全く違います。

 

漢方で言う「大小」は「効力」ではなく「影響の強さ」を

示します。「揺らす強さ」と置き換えてもいいかも知れません。

じゃあやっぱり「大」の方が効きそうじゃん!と思いがちですが

大きく揺らす分、副作用も出やすいと言えます。構成する生薬

を見てみても、「小」を冠する薬の方が副作用対策の生薬が

配置されていたりして、全体的にバランスの良い布陣になって

いたりします。

 

大建中湯は開腹術後の腸運動回復に頻用されているので、何と

なく優しい薬で、あまり「大きく揺する」薬という認識は

ないかも知れませんが、構成生薬は温める作用のものばかり

なので、仮にほてりのある人に使用したら悪化します。

 

「大、小」を単純に「強、弱」あるいは「虚、実」と思って

しまうと意外と外れたりしますので、やはり構成生薬を

知って運用するのが間違いないと思います。

 

それはさておき、“小”池さんは都政を、国政をどう揺らして

くれますかね?

    2016年8月1日 月曜日

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