院長室

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正解はないけど方針はある

怖いものから想定し、多いものから疑っていくという

姿勢は「診断」におけるセオリーです。では、「治療」

についてはどうでしょう?

 

ある程度診断が絞れたら、当然どう治すかが次の問題

です。医学書には疾患の詳細な記載があるし、各学会

でも治療法が定められています。けれど実はそれは正解

ではなかったりします。むしろ「こうすれば治癒に至る

可能性が高い」くらいに捉える方が良いでしょう。

 

学会のプロトコルを金科玉条の如く掲げるドクターも

散見されますが、プロトコル自体も見直されたりする

わけで、あまり頼り切らない方が賢明と思います。そう

すると治療について頼りになるものが無くなりそうで

不安ですが、例えばメジャーな高血圧症においても、

必ずしも正解がある訳ではないのが現実なんです。

 

ではどうするか?高血圧症と診断してとりあえず降圧剤

を処方することが正解?原因が分かるまで処方しない

のが正解?処方が患者さんの求めであるならば正解?

…ね?答え出なさそうでしょ?(笑)でも、こういう思考

を放棄することこそが大問題だと思うので、僕の正解は

「考え続ける」ことです。考え続けることで、その人に

合う「方針」は提示できます。

 

僕は論理的思考に拘りますが、それは対象となる人間に

不確定要素が多いからです。同じ事を言われてもその時

の気分次第で嬉しかったり、腹が立ったりしませんか?

しっかりした方針を打ち出すためには、論理的である

ことが必須と考えます。これは自分にも言い聞かせてい

ます。僕の気分次第で治療がコロコロ変わったらたまった

もんじゃないもんねぇ。(^ ^;)

 

2016年7月28日 木曜日

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