院長室

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抗加齢医学

日本語で書くとえらい難しそうな雰囲気が漂いますが、

要するにアンチエイジングを医学的に研究しようぜ!

ってことです。世界レベルでも、また日本でも大きな

学会があり会員数も随分増えているようです。

 

アンチエイジングと言うと「美容」というイメージが

あるし、抗加齢というと若者には関係ないように思わ

れるので、なかなか本質が理解されていないのが現状

です。我々の細胞は新陳代謝で日々入れ替わっており、

その破壊と新生のバランスが崩れてしまうことが病の

根本です。そしてそのバランス不調の原因を探って治療

に結びつけていく学問が抗加齢医学ですから、全ての

年齢層に対応しています。美容に対してもそういう方面

からのアプローチです。

 

例えば、花粉症と腸内環境の関連なんかは最近メディア

でも取り上げられるようになって来ましたし、肌荒れや

皮膚のたるみと食事の関係も明らかになっています。

これらも実は代謝に関わる科学的な分析が進んだからで、

抗加齢医学の範疇です。

 

薬一辺倒な治療での限界が見え始めている現代において

代謝の仕組みから治療を組み立てていくことは医療者に

とっても新鮮ですし、患者側も難治と言われていた病態

に光明が指すかもしれない素敵な学問だと思います。

 

惜しむらくは、食事などの生活指導をしても保険点数には

ならないので実践する医師は急には増えないでしょうし、

やるとなると保険外診療となって患者負担が大きくなって

しまうことですね。ここがクリアできたら日本の医療危機

にも光明がみえることでしょう。

 

2016年7月4日 月曜日

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