今回は硬派な2本を紹介。
「ボーダーライン」はメキシコを舞台とした麻薬に絡んだ
犯罪映画。町並みが似ていて、人物名が分かりづらく、展開が
早いので、結構ついていくだけでやっとですが、その緊張感
はハンパない。暗視スコープをつけて敵地に侵入するシーンは
圧巻です。息止まりそう。結構エグイ表現もあってそちら方面
でも息が止まりそうになります。(^ ^;)
特筆すべきは俳優陣。久々登場のベニチオ・デル・トロさん
は、そのシブさにもうクラクラです。ジョシュ・ブローリンさん
もカッチョ良い。最近よく見かけるエミリー・ブラントさん
も良かった。味のある美人さんですな。邦題についていつも
文句垂れてますが、今回に限ってはこの邦題で良かったです。
これを意図して仕掛けたとしたら、この宣伝マンは有能ですわ。
そして「サウスポー」。成功と奈落、そして再出発を描いた
ボクシング映画。主演のジェイク・ギレンホールさんのキレキレ
ボディもレイチェル・マクアダムスさんの可憐な人妻具合も
とても良いのですが、何と言ってもこのジャンルは「ロッキー」
という不滅の名作がありますし、昨年末に「クリード」という
大傑作まで作製されてしまっているので、どうしても2番煎じ
になってしまう。
逆に比較されることに開き直ったのか、オマージュに思える
シーンもちらほら。意図してやったのなら、というか確信犯
だろうな。(笑)全体的に安っぽい作りになってしまっては
いますが、真正面から「ロッキー」にぶつかっていく姿勢を
評価したいところです。この映画では子役が結構重要ですが、
日米の子役の質の差に愕然とさせられるくらい上手です。
日本はまだ「大人の描く子役像」を良しとしている傾向があり
ますからねぇ。子役が下手なのではなくオトナが原因なんだと
思います。
さてこの2作、共通点はな〜んだ?
答は…もう公開が終わってしまったこと!(ええっ)すごい
良い映画なのに超速で終了してしまいました。収入があまり
見込めないとこうなる運命ですが、それだけで質の良い映画が
淘汰されるのは惜しいですね。名駅にできる新しいシネコン
に期待です。