院長室

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血圧と血糖値

「血圧が気になる方へ○○!」「血糖値が気になる方へ××!」

なんて謳い文句でサプリや薬が売られますが、元をただせば

両方とも生活習慣が影響しているわけで、それを正すこと

なしに治療は成り立ちません。

 

まあ僕ら医療業界が「血圧は循環器科」「糖尿は内分泌内科」

と分業してしまったのが大きな過ちだとは思うのですが、

これらを何かを飲んで治すという発想が良くない。どちらも

必ず、上がるもしくは下がる原因があるわけで、その原因

検索が必須だし、それによっては治療の必要がないかも

知れないのです。あ、救急時に緊急避難的に投薬するのは

もちろんOKです。

 

血圧に関してはどうも基準が厳しいように感じます。老若男女

すべて同じ基準って乱暴だし、特に高齢者は脳の酸素需要が

高まるに連れて血圧は上昇するのが生理的だと思います。

頭痛もめまいもなく、中性脂肪も高くなければ150や160

の血圧なんて普通だと思います。これを絶対140以下!

なんてやるとむしろ脳の酸欠を招いて脳梗塞のリスクが上がり

かねません。

 

血糖値はどうか。血糖はその時点の数値よりも1日の変動幅が

体調に大きな影響を及ぼすので、情報としては乏しいです。

正常でも好調とは言えない、と言うことです。例えば血糖100

でも、30分前に180だったら、30分で80も血糖値が

下降したわけで、かなり強い低血糖症状が出ます。また特に

糖質を摂り過ぎていなくても、強いストレス下では上昇します。

 

血圧も血糖値も数値は大事ですが、「なぜその数値なのか?」

を度外視して基準値だけで投薬するのは結構危険です。4月の

保険改正では、全てではないですがまた薬の値段が下がりました。

一見良いようですが、メーカーサイドが困窮しブーメランの

ように患者の不利益として帰って来るかも知れません。ま、

そうでなくてもなるべく薬を飲まない、増やさない工夫が

何より大事です。

2016年5月5日 木曜日

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